鈴木内科クリニック・鈴美館

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糖質制限

脂質制限,高糖質、高植物繊維に切り替えて・・・

自分のHBA1cの推移です。2013年に糖質制限を開始しています。13年のデータは見つかりませんでした。

毎年5月の検診時のものです。

2014年から2018年まで、5.4 5.7 5.7 5.6 5.7 でした。

今年5月ぐらいから脂質制限,高糖質、高植物繊維(そんなに厳密ではありません。お肉もちょこちょこ食べています)に切り替えて先日3か月以上経過したので採血してみたところ、5.4でした。

ちなみにLDLコレステロールの経過もこの順番で、150 180 150 144 141 120です。ほぼ予期した方向の結果が得られました。

糖質制限は2017年秋にはやめていますが、それだけではA1cは変りませんでした。

長寿者たちが食べてきた食事

世界の中で100歳を超える長寿者が特に多い地域をブルーゾーンと呼びます。

そしてその代表として最初に挙げられたのは沖縄でした。

そんな長寿者たちが食べてきた食事、つまり戦前の沖縄の食事の主食はサツマイモでした。

稲作は沖縄の地形にあまり適さなかったようです。中国から伝わったサツマイモは台風などの災害にも強く、かつての沖縄では日常の食事の8割以上を占めていたようで、まさしく人々の命を支えてきたといってもよい作物でした。

さらにゴーヤ、ハンダマをはじめとするビタミン、ミネラルなど栄養豊かな島野菜や果物、島豆腐、それに魚や海藻などが日常のおかずとして食べられていたようです。おやつとしてはやはり黒糖をよく食べていたのでしょう。

また豚肉のイメージが強い沖縄ですが、かつては貴重なたべもので、日常的に食べていたわけではなかったようです。

かつての沖縄の人たちには今のように食べ物を選ぶ選択肢はあまりなかったと思います。しかし、それゆえに結果的に粗食のようであっても栄養的には豊かな食事となっていたのだろうと思います。

栄養というととかくタンパク質量にばかり目が行きがちですが、カロリーのベースとなる糖質、脂質、タンパク質以外の部分、つまりビタミン、ミネラル、食物繊維、そして植物性の様々なファイトケミカルを豊富に含んでいることを栄養的に豊かな食事と考えるからです。

サツマイモを主食にすべきといいたいわけではありませんが、プラントベースホールフードの食事とは何かというときに、この長寿者を生んだかつての沖縄の食事スタイルがまさにぴったり当てはまっている感じがしました。

菜食主義と違うのは機会があれば肉を食べていたということと、その場合すべての部分をしっかり食べる豚料理の食文化があることからもわかると思います。

耐糖能を改善させるために

耐糖能が低下してしまった人が耐糖能を改善させるための方法は、当然のことですが治療食ですので極端といえば極端であり、また中途半端ではうまくいきません。

糖尿病学会が勧める炭水化物と脂質の割合は60%と25%ですが、これは標準的な和食が基準となっており、このレベルでは低脂質とはいえません。

これでは全く不十分であったようです。

したがって中途半端で効果が出なかったため、血糖コントロールだけが目的化し、薬物治療に重点が置かれたため、合併症の進行を防ぐことが難しかったのだと思います。

その中で、糖質制限は対症療法としてであっても、確かに従来の糖尿病の食事療法よりはメリットがあったと思います。

しかしながら最近の研究成果で、糖尿病の本質的な原因が脂質にあることが明らかになりつつあり、そして脂質割合を10%前後にまで控えた低脂質食が、実際に臨床的に糖尿病に効果があることが証明されている以上、あとは個人差や病歴の長さによってどこまで改善するかまだはっきりしていないことはありますが、対症療法の糖質制限より根治を目指す食事療法を選択するのは当然のことではないでしょうか?

すべての糖尿病の人が可能であるとはもちろん考えてはいませんが、糖尿病はコントロールするという時代から、すみやかに治すという時代に今後変わっていくかもしれません。

糖質と脂質の二つが過剰になって代謝の異常がおきているとき、糖質を控えることはどちらも過剰なままよりはましでしたが、本来控えるべきは脂質の方であったというのが、今の自分の見解です。

 

「低炭水化物ダイエットへの警鐘」

昨年、「低炭水化物ダイエットへの警鐘」という本からコリン・キャンベルを知り、気にはなっていたのに、なぜか手に取ることを避けていた「チャイナスタディ」を読んでから、低脂質、高炭水化物、高食物繊維の食事(プラントベース、ホールフード)の食事が、アメリカで糖尿病、高血圧、肥満といった成人病の治療において結果を出して注目されていることを(たいへん)遅ればせながら知りました。

さらに、「Reversing Diabetes」のニール バーナードの糖尿病の患者への結果や、「Prevent and Reverse Heart Disease」のコールドウエル・エセルステインの冠動脈疾患への驚くべき臨床結果などにも衝撃を受けましたし、他にも、「Eat to Live」ジョエル・ファーマンや「The starch solution」ジョン・マクドゥーガルなども知り、これらのこの分野を引っ張る研究者たちから大急ぎで知識を得ようとしている最中です。

もっと早く知っておくべきでした。

興味のある方はぜひ調べてみてください。

糖質制限は対症療法

バイパス手術もできない、末梢の冠動脈の高度の狭窄が、高糖質、高食物繊維、低脂質の食事療法で見事に改善する例などが提示されているのを目の当たりにすると、「高糖質の記憶」などといって糖質制限する以前の病変はもはや改善することができないのは仕方ないといわんばかりの表現は、糖質制限が対症療法にすぎないことを完全に表しているとしか、もはや考えられない。

 

動画はコールドウェル・エセルスティン博士

https://youtu.be/EqKNfyUPzoU?t=375

果糖(砂糖)を絶っても・・・

果糖(砂糖)を絶っても糖尿病は治りません。

治らないのは果糖が糖尿病の本質的な原因ではないからと考えるのが自然です。

治らないので砂糖以外の他の糖質も控える糖質制限に対症療法としての意味はあります。

意味はありますが糖質制限ではやはり糖尿病が治らないのは同じことです。

糖尿病の本質的な原因は脂の方であるということに視点を変えた立場でどこまで糖尿病が改善できるのか、大きな方向転換を受け入れていただいた患者さんとともに道を探していくことになります。

糖質制限の最大の盲点

糖質制限の最大の盲点は、糖質を悪者にすることによって、耐糖能の改善という本質的な問題を無視してしまったことにあります。

確かにかなりの肥満状態ではそれ自体がインスリン抵抗性の原因になりますから、脂質代謝優位にして体重を減らすことは、インスリン抵抗性に対してそれなりに効果があります。

しかし同時に、脂質が耐糖能を悪化させるデメリットに相殺される部分もかなりあり、治療法としては矛盾しています。

さほど肥満でないレベルにおいてはデメリットの方がおおくなり、糖質制限で耐糖能は悪化しますから(生理的にも本質的にも)、糖質を悪者にしてケトン体に依存するしか説明できなくなります。
 
 耐糖能の改善策として、高糖質、高植物繊維、低脂質がポイントになります。これにより耐糖能が改善し高インスリン状態による様々な病理状態が改善するという臨床報告がすでに多数あるにも関わらず、それを無視している点は海外のケトジェニックの研究者も同じです。

 耐糖能が改善しさえすれば、食後の高血糖もなくなり、空腹時インスリンレベルや食後のインスリンの分泌も少なくて済みますので、脂質代謝にもスムーズに切り替わるようになりいいことずくめです。

糖質を悪者にする理由はありません。

 ケトン体が心筋を保護するという説には疑問を持っています。節約モードにおいて心筋はケトンを利用するでしょうが、糖を利用する場合に比べ収縮力は落ちるはずです。癌にならなかった長寿者の場合、最後はどの段階で心不全になるかで寿命が決まることが多いのではないかと思われ、そのとき決め手となるのは糖をどこまで有効に使えるか、つまり耐糖能ではないでしょうか?(ここの部分は単なる仮説ですが)

 糖という(素晴らしい)エネルギー源を使うエンジンを、まだ十分使えるうちに放棄してしまうのはあまりにもったいないことだと思います。

BeautworldJAPANで話すこと

結局のところ、ホルモン肥満仮説もセットポイント理論も肥満の原因の一面を見ていたに過ぎなかった。

より本質的な原因は何なのか?その新たに分かったことを今度のビューティワールドジャパンのセミナーで話します。

本の内容を中心に説明する予定でしたが、内容はかなり修正されたものになります。しかし基礎知識として本の内容は役に立つはずです。

自分で出した本を自ら突っ込むという異例の展開になりそうです。今は大忙しでスライドづくりに追われています。
https://beautyworld-japan.jp.messefrankfurt.com/…/semi2.html

 

軌道修正の枠組み

大まかに、軌道修正の枠組みを説明します。詳細はおいおいということで、この説明では理解できないとは思いますし、さわりの部分だけです。詳しくはまだまだ調べ切れていません。

 

インスリン抵抗性に関して、Dr Fungのインスリンそれ自体が原因とする説より、それは結果であって本質は脂質がインスリンの働きをレセプターレベルでブロックし、ミトコンドリアレベルでランドルサイクルの機序により糖の燃焼をブロックし、さらに遺伝子レベルに働きかけミトコンドリア自体の数の減少をもたらして代謝が低下するといった複数の要素に関与することが原因とする仮説にもとずくと、脂質の割合がかなり低いVegan食がなぜ糖尿病に対して治療効果が高いかという説明において非常に整合性がとれます。

 

加工食品が大きな原因となっていることは間違いありませんが、その本質が栄養がないからとするより、加工食品に多く含まれる脂が原因とした方がより分かりやすいと思います。

糖尿病を治すためには細胞内にたまった余計な脂質をフラッシュアウトする必要があるという目的は同じであっても、そのために脂質代謝を亢進させ、脂質摂取量を増やすことは矛盾がありました。しかし単純に脂質を減らすというのはとても分かりやすく、本質に迫る治療法になりえます。あくまでも本質は脂質によって障害された糖の代謝の正常化ということになりますから、糖質を避けるだけでは対症療法にしかならなかったということになります。
脂質を減らし、糖質を増やすというアプローチでのリサーチが過去に何度も行われたにもかかわらず、有効な成果は得られなかったという結果をもって、Dr Fungは低脂質は効果がないと結論づけていましたが、ニールバーナード博士のリサーチ結果は含まれていませんでした。(Diabetes codeで確認するかぎりは)実際のところ、バーナード博士の低脂質は従来の低脂質よりずっと脂質量が低いものでした。

糖質制限の光と影

糖質制限には光と影がある。

 

光の部分や影の部分だけを取り上げて議論しても意味のあるものにならないのは当然だ。

 

影の部分について十分な理解があれば、光の部分を生かすこともできうると思う。光の部分だけを取り上げて影の部分を検討しようとしないでいれば、問題が生じてくるのもやはり当然でありすでに生じているのであるが、状況としては企業の参入の増加に伴い世間では糖質制限の認知度は(実行できるのかどうかは別として)ますます広まってきているようだ。

 

数年前、最初の糖質制限のセミナーでは、糖質制限を知っている人は圧倒的に少数派であった。しかしすでに流行の兆しはあった。

自分が糖質制限を知ったのはまさにその段階であった。これから糖質制限がどんどん広まっていくのは間違いない。これには医療を変える力があると、広めていかなければならないとその時は強く思った。

しかし当初の劇的な臨床効果にもかかわらず、次第に問題を生じてくる場合が多いことがわかってきた。その解決策を模索するうち、糖質制限自体に本質的な問題があるのではないかと考えるようになり、それを発信するようになったが、そのことで残念ながら光の部分だけしか見ようとせず、影の部分を無視したり、あくまでも光の部分だけで説明し続けることにこだわり続ける人とは議論にならないこともはっきりと分かった。

解決策を模索する中で出会い、大きな影響を受けたDr Fungでさえ、光の部分だけで影の部分を説明していることに気がついた。

Dr Fungの、生理的インスリン抵抗性や暁現象の説明がどうしても腑に落ちなかったのはそういうことだったのだ。

LowT3症候群についても同じことだ。ケトジェニックの指導者たちについていくら学んだところで、自分の知りたいことは得られないだろうということを直感的に理解できた気がする。それがはっきりと分かったのは、まさに後ろに回って後ろから見たからだ。

 

今度はかつて見ていた光の部分が影となり、影の部分がよく見えるようになった。それによってようやく全体が見えてきた気がしています。

 

自分にとって大事なことは、一つの方法にこだわることやそれを広めることではありません。

糖質制限をきっかけとして体質改善に成功し、うまくいった人はそれでいい。

しかしうまくいかなかった人、新たな問題を抱えてしまった人には別の方法を探さなければならない。

 

それが、糖質制限セミナーをしたり、ネットで発信してきた自分の責任でもあるのだと思っています。

 

「ボーンブロスでやせる間ファスダイエット」の出版はそんな模索の中での自分の途中経過をまとめたものです。

流行に逆らって糖質制限の問題点を指摘する内容であり、かといって糖質制限は危険だ!みたいな感じが好きなアンチ糖質制限の人を対象に書いたわけでもないので売れ行きはそこそこといった感じのようですが、自分としては出版できたことにとても感謝しています。

ただし、途中経過であったため、すでに修正すべきことや新たに分かってきたことがたくさん出てきてしまいました。

それを今後もセミナーやネット上で発信していきたいと思っています。

 

お知らせですが5月14日月曜日午後、東京ビッグサイトでの東京ビューティーワールドジャパンの中の特別企画の有料ゼミでセミナーを行います。美容にかかわる業界関係者が対象ですが、業界の範囲はかなり拡大解釈で大丈夫なはずです。まだ席は空いています。

現時点で新たに分かってきた情報を更新して、美容と健康を考える方に有意義なセミナーとなるようにしたいと思いますので、興味のある方はぜひ来ていただけると嬉しいです。

 

詳細はこちらから⇓⇓

https://beautyworld-japan.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja/visitors/events/seminar7/semi2.html