万年ダイエッター

ダイエットを繰り返すうちに、体が低カロリー状態に適応してしまい、少ないカロリーにもかかわらずそれ以上痩せられない状態となることがしばしばおこる。過度な有酸素運動でやせようとしているときも、同様なことがおこってくる。この状態に陥ると、少し摂取カロリーを増やしただけでもすぐに体重は増加するし、運動量を減らすことも怖くてできなくなったりする。いったん体重が増えようが、しっかり食べて運動をやめリセットするしかないのだか、恐ろしくてそれはできない。この状態は体を消耗します。

 

糖質量を控えることで血糖値をそれなりにコントロールしてきた人は、少しの糖質で血糖値が跳ね上がるようになってしまっているのでので、怖くてしっかり必要な糖質をとることができない。インクレチンの働きを理屈の上でわかったつもりになっていても、本当に理解できていなければ摂取量が中途半端となり、結果を出すことが非常にむずかしい。万年ダイエッターと同じ罠にはまってしまうのだ。

大麦パン

今朝は新しいパターン。昨日家内が焼いてくれた自家製大麦パンにピーナツバターをつけて。バーリーマックスフレークはヨーグルトとイチヂクと一緒に混ぜて。バター無しで焼いたパンは大麦の香りがして、外側はフランスパンみたいにパリっとして、なかはもっちり。美味しい!

 

初めてのパターンなので血糖値を測っています。45分値で131、1時間値で112でした。糖質量は計算していませんが、そもそもある程度の量以上になると糖質量は関係ありません。大事なのはインクレチン効果であって、糖質量ではないからです。ヨーグルトには砂糖も少し入っていましたが、水溶性食物繊維と一緒であればそんなに気にする必要もありません。同じ糖質量であっても小麦のパンなら自分の場合、160台くらいには血糖値は上がると思います。
血糖の上昇を抑えているのは、7割がたインクレチンの作用です。インスリン分泌はむしろ少なくて済んでいるはずです。

お昼になっても朝の食事で腹持ちがよくて、お腹はそんなにすいた感じはありません。糖質をとるとすぐにお腹がすいて、どうしても間食したくなるというのも完全に間違いだということがよくわかります。水溶性食物繊維と一緒であれば、糖質は重要な効率の良いエネルギー源となります。

 

 

 

 

2019年9月5日 | カテゴリー : 糖質制限 | 投稿者 : suzukinaikaC

急成長している雑穀市場

僕がオートミールや麦飯を流行させようとしているなんて言う人がいますが、恥ずかしくなるのでそんなことは言わないでください。僕が糖質制限に引っかかっている間にもすごい勢いでもう広がっていたんです。それを僕は気がつかなった。でもまだまだ気づいていない人の方が多いだけです。僕は全然遅かった。

 

糖質制限などとっくの昔にもう終わっていたんです。(今の流行は最後のバブルです)低糖質にこだわる意味などないことは、近い将来誰にとっても常識になると思います。にもかかわらず、それをこれから広めようとする人がまだまだいる。ものすごい情報格差がこんなにもネットが利用できる時代にあるなんて、いかにとらわれの気持ちがあると、必要な情報が目の前にあるのに見えてこないのかに本当に驚かされます。

 

大麦のβグルカンに関しては、基礎研究も臨床での研究もたくさんなされていますし、大麦の生産体制の強化やその商品開発が今すごい勢いで進んでいます。医療の世界ではまだまだ一部のようですが、生産者や加工業者は大麦のスーパーフードとしての価値の高さに完全に気がついています。雑穀の市場は急成長しているんです。

 

今もすでにありますが、今後ますます大麦粉やもち麦を使ったスイーツや様々な料理法の研究がなされ、市場やレストランで供給されるようになると思いますので、食品や飲食、健康に関係する仕事をされている方にはその流れに乗り遅れないようにしていただき、みんなで広めていけたらいいなと思います。。

アメリカ糖尿病学会のガイドラインについて

アメリカ糖尿病学会(ADA)の食事指導のガイドラインをめぐって、いろいろ論議がおこっていますが、本来そんなにわかりにくい話ではありません。
重要なのは3つぐらいです。

 

1 全粒粉の穀物、野菜、果物、豆などから炭水化物をとり、精製された穀物や砂糖などは避ける。

 

2 飽和脂肪酸やトランス脂肪の摂取はできるだけ控える

 

3 画一的なカロリー制限は意味はなく、食事の様式も地中海式、ダッシュ食、ベジタリアン食、低糖質食など個人の嗜好や生活様式に合わせて選択してもよい。

 

ガイドラインが変化しているといわれていますが、1,2に関しては変化していません。低糖質食を選択してもよいというのは1,2を満たしている範囲においてという意味です。

 

従来の日本の糖尿病の食事指導は、カロリー制限にかたよっており、さらに全粒粉穀物を重視していませんでしたので修正する必要があります。

 

江部医師のスーパー糖質制限では1,2の基準を満たしません。ADAのいう低糖質な食事とは、日本で広まっている糖質制限とは異なるものです。

2019年9月2日 | カテゴリー : 糖尿病 | 投稿者 : suzukinaikaC

骨格筋とインスリン作用

骨格筋は食後のインスリン刺激による血糖の取り込みの上でとても重要です。この骨格筋の糖の取り込みが糖尿病患者においては健常者と比べて明らかに低下していることが、糖尿病患者の食後高血糖の大きな原因の一つとされています。

 

インスリンが筋肉でその作用を発揮するためには、最初に筋細胞を栄養する微小血管系にインスリンが運ばれ、次に血管内皮を通って筋間質に運ばれる必要があります。この二つがインスリンが働くための律速段階となります。

 

最近の研究で筋肉のインスリンの働きにおいて筋微小血管が重要な役割を持つことがわかってきました。運動も筋微小血管の血流量を増やすので重要なのですが、GLP-1は直接血管内皮のレセプターに働き、血管を弛緩させて血流量を増やしインスリンの効果を増強してくれます。

 

糖尿病患者における骨格筋での糖の取り込みの低下は、運動不足が主因ではなく、このGLP-1の分泌低下によってインスリンの作用が落ちていることの方が影響していたようです。

 

更には神経や腎臓、眼などにおこる糖尿病の合併症は微小血管の障害が原因ですから、GLP-1の分泌が低下しその血管弛緩作用が低下してしまうことが大きな原因の一つなのかもしれないと考えると、血糖をコントロールするだけでは糖尿病の合併症の予防にはならなかった理由としてもつじつまが合います。

 

合併症予防の観点からもGLP-1を増やす食事療法に焦点をあてるべきだと思います。

 

年齢に伴う筋肉量の低下を防ぐためにも、その重要性は糖尿病でない健常者においても当てはまるはずです。また、筋トレをしている人にとっても役立つ知識だと思います。

 

追記
高血糖の記憶などというのは、糖質制限で合併症が予防できないことから考えだされたもので、根拠がありません。

2019年9月1日 | カテゴリー : GLP-1, 糖尿病 | 投稿者 : suzukinaikaC

たがしゅう先生のグルカゴン熟考

たがしゅう先生の結論

 

「糖尿病はやはりインスリンの作用不足を発端として引き起こされる現象であり、その結果、適応反応としてのグルカゴン分泌が過剰に引き起こされて結果的に不利益な血糖値スパイクや持続高血糖が引き起こされてしまった状態だ」ということです。

 

従って、「グルカゴンを抑える治療アプローチは根本原因を放置したままとりあえずのアンバランスを是正する行為であり、根本的には再びインスリンが作用できるよう環境を整えること、もしくは筋肉がスムーズにブドウ糖を利用できるように筋肉活動を活発にさせることではないか」


なんと、結論が一致してしまった。彼のいうとうり、グルカゴンが悪いわけでもない。インスリンの作用不足が発端というのも、GLP-1の助けがないとインスリンは作用不足になるから悪くない表現だ。

グルカゴンを抑える治療アプローチはとりあえずのアンバランスを是正する行為であるというのもそのとうりだと思います。ただ注射で抑えるより、なぜ上がってしまうのかを是正する必要があります。

最後がまた素晴らしい。根本的には再びインスリンが作用できるよう環境を整えること、もしくは筋肉がスムーズにブドウ糖を利用できるように筋肉活動を活発にさせることではないか。もうまさにそのとうりとしか言いようがないです。

 

そのためには糖質を避けていては無理だと思うのですが、、、、、。何でここだけ僕と違っちゃうんだろう?

 

https://tagashuu.jp/blog-entry-1636.html

2019年9月1日 | カテゴリー : グルカゴン | 投稿者 : suzukinaikaC

問題はエネルギー不足であって糖質の過剰ではない

糖質の過剰摂取が問題だと思っている間は、常に糖質は控えるべきものという考え方から抜け出すことはできない。

最初に問題にすべきだったのは必要な糖質が足りていないことによるエネルギーの不足のほうだった。だから間食がやめられない。だからいつもカロリーや食べすぎに注意していなければならない。

糖質選択だけの理論の時には白米はやはりできるだけ避けるべきものだった。でも今は麦飯だからしっかり白米が入っている。麦の水溶性食物繊維と一緒に食べれば白米の糖質も避けるべきものではなくなり、重要なエネルギー源だと認識できる。麦飯でなくとも白米だけでもいいのだ。その時はしっかりおかずを意識して選べばいい。脂質の制限も水溶性食物繊維の働きを知れば、そんなに過度にする必要もない。何かを過度に悪者にしなくて済むのは指導するうえで本当にありがたい。

しっかり食べることで逆に食欲は抑えられ、少しづつ体型の変化まで感じられる。これは嬉しい。患者さんたちも笑顔になる。

アルバイト先の外来では糖質制限をはじめからしたことがない人ばかりだ。僕の話を患者さんたちは素直に目を丸くして聞いてくれる。そしていいこと聞いたと笑顔で去っていく。そして次に来た時にいろいろな体感を語ってくれる。外来がまた楽しくなった。

 

追記

 

 

エネルギー不足とカロリー不足とでは意味は違う。インクレチンの働きが不十分だと例えば肝や筋への糖の取り込みがしっかりできないのでカロリー過剰であってもエネルギーは不足してしまう。そしてそのインクレチン分泌を刺激する短鎖脂肪酸を作るためにも、腸内細菌自体のエネルギー源としても炭水化物はしっかりとらなければならなかったのです。この場合も水溶性食物繊維が足りなければカロリー過剰であっても腸内細菌にはエネルギー不足ということがおこりうる。それが脳への信号(GLP-1の低下)を介してヒトを過食にはしらせていた。

大麦の可能性に気が付いたのは

大麦の可能性にきがつくきっかけとなった患者さん。当院には平成26年から来ていただいており、糖質制限を継続していましたが、なんとか維持するのが限界。途中から、糖質選択に切り替えていますが、やはり積極的に糖質を取るところまでは踏み込めませんでした。

 

今年の1月に大麦のフレークを取るように勧めたところ、継続していただけて、数値がいままでになく改善してきたことがわかりました。

 

その後、オートミール、さらに麦飯に変えることでもっと良い効果がえられることがわかったので、今後の経過でさらなる改善が期待できると考えています。

患者さんの経過

7月20日に紹介した患者さんの続報です。

 

前回の内容は次のとうり

 

アルバイト先の外来で一か月前に診た患者さんなんですが70歳代の女性で糖尿病。HbA1cは7.8で徐々に数値は上がってきている傾向が続いています。オートミールは食べたことないということだったので、麦ごはんが糖尿病にいいよと勧めました。一か月たってHbA1c7.2になり、改善効果がみられたのでどれくらいの頻度で食べているのか尋ねたところ、なんと100%もち麦で(白米と混ぜずに)食べていたそうです。驚いたのは慢性的な足の痛みがあったのが、半分以下に減ったのがとても嬉しい、いいことを教えてもらってありがたいと感謝されたことでした。

 

今日、外来受診されています。

 

もう少し情報をつけたしますと、糖尿病歴は15年、当初はHBA1c6.5から4年程して7台になる。

今年に入って7.5から7.8の間。

空腹時血糖値は高めで、一年前、カロリー制限を頑張って6.9までさげたときでも、130台が限界。毎回140台から180台くらい。

HOMA βは16で、インスリン分泌能はそれなりにおちているが、肥満体型はかわらず、最近も増えていた。

 

前回A1c7.2 血糖値129 でしたが今回もA1c7.0 血糖値119と改善中 。

 

体重は1カ月でマイナス1kg。空腹時血糖がこんな数字になったことに、びっくりされていました。麦飯は7割にしたというので、5割にして、継続してもらうことにしました。食欲もおちついてとても楽、嬉しいと感謝されました。

 

しっかり食事指導し始めたのは8月からなので、他の患者さんのデータがそろうのはもうすこしかかります。7月の時点では、まだ不完全な指導できちんとできている人がまだまだいませんでした。それでも、改善傾向はみられてはいますので、手ごたえはあります。

2019年8月28日 | カテゴリー : HBA1c, もち麦 | 投稿者 : suzukinaikaC

大麦パンの効果の実験

本の中での実験の紹介。

 

食物繊維を多く含む大麦パンと精製した小麦パンの効果を20人の健常者で比較。3日間連続して食べ、4日目の朝、同じ試験食の後に採血した。全員が2種類のパンを食べるクロスオーバー試験。

 

結果

大麦パンで精製小麦粉パンに比べ食後血糖とインスリンはそれぞれ22%、17%低下しインスリン感受性が25%改善した。空腹時の短鎖脂肪酸は18%増え、食後のGLP-1は56%増加した。

 

これらのことから全粒粉の大麦パンは短期間に腸管ホルモンの分泌を高めることで、食欲抑制、インスリン感受性を高め、糖代謝を改善することが示された。

 

これは健常者の実験で短期でも効果がありとしたものですが、逆に28人の高インスリン血症を有する糖尿病予備軍について、小麦全粒粉のシリアルとこれを含まないシリアルを毎日摂取させ一年間にわたって3か月ごとに調べた調査も紹介されており、GLP-1が25%増えるのに1年かかったことから、腸内細菌が最適な発酵環境になるには時間がかかると推測されています。

 

しかしこれはもう気がつかれたと思いますが、小麦全粒粉であることが問題で、大麦を使用していればこんなには時間を要しなかっただろうと思います。このことから稙田先生はあの日向先生の水溶性食物繊維に焦点をあてた論文はご存じないと思います。ここがつながっていれば本の内容もより食事に焦点があてられたものになっていたと思うのです。

2019年8月27日 | カテゴリー : 大麦, 糖尿病 | 投稿者 : suzukinaikaC