糖尿病には麦飯!

Metabolic improvement of male prisoners with type 2 diabetes in Fukushima Prison, Japan

 

福島刑務所での男性受刑者の2型糖尿病の患者での後ろ向きカルテ調査の研究。2007年の論文ですがいろいろなところで紹介されていますので、知っている方もいると思います。

 

刑務所に入った2型糖尿病患者のHbA1cが平均値で8.4から5.9に改善し、インスリン治療を受けた囚人18人中5人(28%)および経口血糖降下薬で治療された34人中17人(50%)は治療を中止出来た。というもので素晴らしい結果です。

その原因としてもちろん刑務所ですから、規則正しい生活と労作業、そして管理された食事(麦飯)が上げられています。

 

標準的な摂取カロリーでカロリー制限をしたわけでもなく、PFCバランスも糖質や脂質を制限するわけでもなく、有酸素運動や筋トレをしたわけでもないのに、(これは推測です。本文が見つからないので)ここまでの成果が出る大きなポイントは主食が麦飯であること、つまり水溶性食物繊維の摂取量にあるとしか、頭が麦畑状態の自分としては考えられないわけです。

 

この論文の本文がみれないので、いろいろ探しているうちに、やはり海外のβグルカンの研究者たちがこの論文を重視して多く引用していることもわかりました。

ベータグルカンがすごい

アルバイト先の外来で一か月前に診た患者さんなんですが70歳代の女性で糖尿病。HbA1cは7.8で徐々に数値は上がってきている傾向が続いています。オートミールは食べたことないということだったので、麦ごはんが糖尿病にいいよと勧めました。一か月たってHbA1c7.2になり、改善効果がみられたのでどれくらいの頻度で食べているのか尋ねたところ、なんと100%もち麦で(白米と混ぜずに)食べていたそうです。驚いたのは慢性的な足の痛みがあったのが、半分以下に減ったのがとても嬉しい、いいことを教えてもらってありがたいと感謝されたことでした。

 

水溶性食物繊維であるベータグルカンは多くの食品に含まれますが、群を抜いて多くふくむのが大麦(押し麦)、もち麦、オーツ麦(オートミール)です。食物繊維の多そうな玄米であっても大麦の3分の一ぐらいで、しかもその多くは不溶性食物繊維です。

 

このベータグルカンが糖の吸収を緩やかにし、ゆっくりと腸管を移動することで食欲に関連するホルモンに作用し、さらにコレステロールの吸収を抑えることから、糖尿病や高脂血症、肥満の予防や治療に有効という論文が多くあり、近年注目されているのですが、ほかにも抗炎症作用があるとされていて、足の痛みの改善と関係があるとしたらこれはなかなかすごいことだと興奮しました。

 

ベータグルカンはある程度の量(3gから6g)を毎日とることで効果が出ます。オーツ麦では100gあたり3g、大麦では50gで3gぐらいになります。(玄米では100gで0.7gしかありません)

 

オートミールを患者さんに勧めていますが、食べたことない方がほとんどですし、スーパーにもなかなか置いてなかったり、またおいしく食べる方法が知られていないこともあって、なかなか難しいところですが、食べてますよ~という患者さんも増えてきて、そういう方はA1cの数値が確かに下がってきています。白米との比率を高くすれば押し麦やもち麦でも、もちろんいいと思います。いろいろな食べ方を工夫して継続可能であるのか、今後の経過を見たいと思います。我が家でも家内の協力のもと、実験継続中です。

2019年7月20日 | カテゴリー : 麦ごはん | 投稿者 : suzukinaikaC