麦飯

 

ウィキペディアに麦飯についてまとめてありましたので紹介します。

 

これを読めば、戦後日本人に糖尿病が増えた原因は麦飯を食べなくなったことであるといっても、的外れではないことがわかると思います。最後に糖尿病との関係として以前紹介した福島刑務所の論文まで紹介されていました。

 

これを読めば糖尿病の人にこそ、麦飯をすすめる理由がわかると思います。

 

水溶性食物繊維、短鎖脂肪酸、大腸L細胞、GLP-1、グルカゴンの抑制、そして糖尿病の主役はグルカゴンと理論的にも無理なくつながったのです。

 

 

糖尿病との関係

2005年(平成17年)8月に、秋田市で開催された第46回日本人間ドック学会学術大会に於いて、2型糖尿病患者の血糖値が、刑務所服役中に著明に改善した事例が発表された。福島刑務所医務課の日向正光(精神科医)は、受刑者の栄養摂取量が日本人の平均と同等以上であることや、運動量がそれほど多くはないのにも拘らず、インスリンで治療していた17人のうち5人が注射をやめることができ、経口血糖降下薬で治療していた34人についても、17人が服薬を中止できた事を踏まえて、刑務所の主食が、今どき珍しい『麦飯』であることに着目した。

米7麦3の飯を毎日食べることで、食物繊維、とりわけ水溶性の食物繊維の摂取量が多くなり、糖代謝の改善につながったのではないかと考えた。受刑者は平均的日本人男性の2倍の食物繊維を摂取し、水溶性食物繊維は5倍摂っているという。「規則正しい生活習慣と麦飯などの高食物繊維食で、十分な糖尿病の治療効果がもたらされる可能性がある」としている

プラントベースホールフードは患者さんがやってくれなかった

ニールバーナード博士のプラントベースホールフード(PBHF)での糖尿病への効果をみたHBA1cの改善のグラフでは、初期には効果がみられてもやはり数年たつうちに徐々に戻っていく傾向がみられました。これでは、糖質制限と大差ありません。

 

大量の糖質摂取しながらでも、HBA1cが改善すること自体は、糖質制限の理論が絶対でないというよい証拠になりましたが、PBHF自体もどこか本質とずれていると常に考えていました。ずれているから、どちらもある程度効果があるものの長期的には継続可能な現実的な食事とはなりえないと思ったのです。

 

今の一つの答えは、食物繊維としての絶対量のみ強調されたため、かなりの量をとらないと実際には一番肝心な水溶性食物繊維が足りていない場合が多くなり、継続性と効果のバラツキという問題が生じていたことが一つ。

二つ目はやはり理論的には可能でありますが、現実的にはタンパク不足が生じやすく、さらに過度の低脂肪の食事はやはり継続することが難しかったからではないかと考えました。

 

飽和脂肪酸を少なくすることは重要ですが、かといってそれは本質ではないと今は考えています。

 

とにかく、実際の臨床においては、理想的な食事ではなく現実的な食事内容でなければ、患者さんは継続できません。

 

それが朝のオートミールや麦飯にまず焦点を絞った理由です

2019年8月17日 | カテゴリー : HBA1c, 糖尿病 | 投稿者 : suzukinaikaC

グルカゴンの暴走が先

グルカゴンの奇異性分泌(反乱)現象自体はかなり前から知られていましたが、インスリン分泌能の低下に伴うものとして、インスリンの過剰状態やインスリン抵抗性が先だというのが今までの考えでした。

 

しかしそうではなかった。

 

グルカゴンの反乱が先で、それによってインスリン過剰分泌が生じ、そして本来のインスリン抵抗性の病理が生じていき糖尿病の病理状態を作っていった。

 

どちらが先であるのかは、どちらが主役であるかであってとっても大事なことなんです。

 

脇役と思われていたグルカゴンこそ主役であったというわけです。

ヨーロッパ糖尿病学会(2016)「インスリンとグルカゴン命のパートナー」

糖尿病はグルカゴンの反乱だった  から引用

ヨーロッパ糖尿病学会(2016)は「インスリンとグルカゴン命のパートナー」と題したカンファレンスを開催し、世界をリードする研究者の意見を集約して以下のごとくまとめています。

2型糖尿病では末期に至るまでの全過程および1型糖尿病ではまだβ細胞機能(インスリンを分泌する力)が残存している過程においては、血中グルカゴンの不適切な過剰分泌が肝糖産生の増大を惹起して高血糖を生じており、グルカゴンの働きを抑えることができれば、血糖の正常化が期待できる。そのためにはインスリンの基礎分泌の残存が前提であり、その限りにおいては、グルカゴンの抑制は重要な治療標的になりうる。

これが現時点におけるグルカゴンに対する世界の見解なのです。

 

わかりますか?何度も書きますがこれは間違いなく糖尿病患者さんたちにとって福音なのです。(糖尿病が治る可能性が十分にあるといっています)ですから、過去の経緯のみにとらわれ、現在の医学の進歩に目を閉ざしてしまった糖質制限の指導者たちのことは無視して、まだ間に合う患者さんたちにこのことを伝えたいんです。僕の一意見などではないんです。

インスリンからグルカゴンへパラダイムシフト

インスリンは血糖を下げるホルモンです。グルカゴンは血糖を上げるホルモンです。

 

ということは血糖値が高くなるのはインスリンの作用が弱い時でも、グルカゴンの作用が強いときでもおこります。

 

通常であれば食事をすればインスリンが分泌され、グルカゴンは抑制され、血糖の上昇がコントロールされます。

 

今までのパラダイムはこの食事におけるインスリンの作用不足が糖尿病の原因であるとしたわけです。

その中で、糖質過剰やインスリンの利きやすさ(インスリン抵抗性)が悪くなることによるインスリン過剰が問題視されたわけです。糖質制限の基本理論もその中にこそ存在します。

 

しかし、新しいパラダイムではインスリンの作用不足が糖尿病の原因ではなかったことが立証されていました。「糖尿病はグルカゴンの反乱だった」

 

グルカゴンの抑制ができなくなることが糖尿病の本質だったんです。

ですからいかにグルカゴンを抑制するかに、治療の中心が変わったんです。

 

注射でのインスリンではグルカゴンを制御することはできません。

 

そこで注目されるのがGLP-1というわけで、別の言い方をすればGLP-1の分泌不足が糖尿病の本質かもしれない。という風につながります。

まさにこれこそパラダイムシフトかもしれません。糖尿病患者さんにとっては福音となるはずです。

 

糖質制限の考え方はその理論的根拠を失っていたんです。

現在の糖尿病治療の焦点はインクレチン関連薬

現在の糖尿病治療の焦点は、糖質とインスリンの関係ではなく、インクレチン関連薬(GLP-1)に完全にシフトしています。

 

そもそも糖質制限の理論がつくられた時、インクレチン関連薬などはありませんでしたし、その仕組みについてもよくわかっていなかったのです。そして2009年にインクレチン関連薬(GLP-1分解酵素阻害薬)が臨床応用され、さらにはGLP-1の合成注射薬も臨床に使われるようになりました。昔の治療ではうまくいかない例をたくさん作ってしまったのも事実ですが、現在はいろいろなことがわかってきました。

 

しかし益々重要性を増すGLP-1の働きを軽視したまま、糖質過剰が問題とか、インスリンは毒だとか、1gの糖質で血糖がいくつ上がるとか、今やもう時代おくれの議論を延々しているのが糖質制限の指導者です。早くそこから抜け出して、新しいことを知ってほしいと思います。

 

そしてそのGLP-1の分泌を増やす食事法に焦点を当てれば、薬や注射に頼るより、より本質的な治療ができるはずというのが自分の考えです。

2019年8月12日 | カテゴリー : GLP-1, 糖尿病 | 投稿者 : suzukinaikaC

筋トレと糖尿病

なぜ筋肉をつけようと、ビルダー目指す勢いで筋トレに励むと糖尿病が治ってしまう人がでてくるのか。大きなヒントはビルダーの減量期の食事にありました。

 

一般に朝食でオートミールをとる人がおおく、そして彼らは知ってか知らずか「エサ」と称して腸内細菌が空腹にならないよう、何回かに分けて例えばサツマイモ(レジスタントスターチがおおい)とかの炭水化物を少量づつ分けてとります。

 

つまり減量期には自分のための食事ではなく、腸内細菌のための食事を最優先にし、カロリー摂取をわずかにすくなくしていっても、腸内細菌のエサの量はむしろ増やしている。

 

これによって短鎖脂肪酸のつくられる量を増やし、短鎖脂肪酸そのものもエネルギー源とし、かつ短鎖脂肪酸は脂肪細胞の分解を促進しそれによってカロリー制限下でのエネルギー不足を補い、かつ交感神経節にも働いて代謝を維持する。

結果的にカロリー制限下でおこりやすい基礎代謝の低下を防ぎやすくすることができます。(この産生する短鎖脂肪酸のレベル以上にカロリーを制限すると失敗する)

 

プロテインの頻回摂取もまた小腸レベルでのインクレチン効果により空腹を抑えるのに役立ちます。

 

つまりビルダーは適切なレベルでのカロリー制限を行いつつ、一般のダイエッターがするような無茶な空腹感を我慢しているわけではない。できるだけ空腹感を感じないように水溶性食物繊維豊富な腹持ちの良い食事を頻回にとっているのです。だから成功する。

ビルダーの岡田先生(バズーカ岡田)も著者の中でスーパー大麦を取り入れることで、食物繊維摂取の不足を解消しやすくなったと書かれていました。

 

そして重要なのが短鎖脂肪酸刺激によってL細胞からだされるGLP-1です。これが筋肉の血管にはたらき糖の取り込みを促進します。

 

食後血糖の取り込みの最大臓器が筋肉です。そして糖尿病の人はその取り込みが落ちている。これは単に運動不足だけのせいではなかったんです。その前にGLP-1の不足がその大きな原因だったと推察されます。

 

まだ他の重要な要素(筋トレそのものの効果とか)ももちろんあります。ざっと書いただけで全部ではありませんが、以上のような点でビルダーの減量は成功しやすいのではないかと推察しました。

 

そして、今まで書いてきたようにGLP-1の不足こそが糖尿病の本質ですから、糖尿病の治療法としても結果が出て当然とおもいませんか?

最大の欠点は筋トレができない人もいるということです。しかしお分かりのように筋トレが本質ではなかったとすれば、これまた糖尿病患者には朗報ですね。

 

でも筋トレは現代人にはとっても役立ちますよ。いいことがたくさんあります。僕は一生続けたいと思っています。

糖尿病は麦飯で治す

きちんと読み始めるとあまりの興奮で読み続けることがすぐにできなくなる。もはや糖質制限の問題など、どうでもよくなってきた。

 

すでに結果はでていても、理論的な根拠がしっかりしていなければ、人はなかなか信じない。ちょうど脚気が麦飯で予防できる事実があっても、なかなか信じられずに死者が出続けたように。この本(糖尿病はグルカゴンの反乱だった)は紛れもなく理論的なうらづけとなる!

 

著者の理論は僕の知らなかったことももちろん多くありますが、本筋は全く同じです。しかも結論の食事療法はほぼプラントベースホールフードです。この点に関しても自分がたどり着いた方向性は間違っていないことが、はっきりわかりました。

 

プラントベースホールフードで糖尿病が実際に治る例はたくさん調べてわかっています。だから、理論が裏付けられた以上、あとは実際に、現実的に患者さんが実行可能な方法論であるかにかかっている。残念ながら、最後のこの一点が突破できなかった。あまりに制約が多すぎて、現実的にはできなかったんです。自分でも不可能でした。

 

食事は植物性の食品、野菜、果物、全粒穀物、豆類などを基本とし、少なくとも毎日50gの食物繊維をとるように工夫し、赤身の肉、高脂肪の乳製品、揚げ物、食品添加物、AGEを避け、脂肪の摂取は控える。

 

これは現実的な食事療法にはなりません。(例えば一般的には女性で一日18g、男性20g以上が推奨される食物繊維の目安です)もっと焦点を絞らないと、ダメだった。その焦点こそが水溶性食物繊維つまり主食を麦飯にすることです。
だって福島刑務所のデータですでに結果は出ているじゃないですか。糖尿病がこれでよくならないはずはないんです。

 

朝のオートミールはビルダーの食事でヒントを得て患者さんに2か月くらいまえから勧めてきました。食べてますよーという患者さんはみんなA1cの改善がみられています。まだ短期の結果でパイロットスタディのようなものですが、すこぶる感触がよいので僕は強気です。でももち麦の方がβグルカンをとれることがわかって、今まさに麦飯を僕のすべての糖尿病患者さんに試してもらい始めているところです。ですのでこれがはっきりするにはもう少しかかります。

 

著者が最初に書いているように、患者さんにはおおいなる福音がもたらされることになることを祈ってやみません。

糖尿病はグルカゴンの反乱だった

#糖尿病はグルカゴンの反乱だった

 

 

今までの話をもっと医学的にきちんと詳しく解説してありました。論理的には決定的です。ただ本の結論の食事指導はプラントベースホールフードにちかく、いろいろ制限もあって焦点がぼやけた食事指導になってしまっていました。

 

これでは患者さんが実行困難であったことはすでに経験しています。もっとしっかり確実に結果を出すには、水溶性食物繊維にこそ、最大限の焦点を当てる必要があります。全粒穀物と豆とかいう表現では不十分です。

 

確実に水溶性食物繊維のβグルカンを一日3g以上とり続ける。(一日3g以上ということについては、きちんと根拠となる論文があります)そのためには主食を麦飯にするしかありません。ここで初めて現実の患者さんが確実に取り組める方法論になります。

 

ここに焦点を当てて、しっかり量までを意識しないと結果はなかなか出にくいと思われます。

 

これらのことがはっきりわかったのも「それでも生きていく」というブログでのKさんからの情報でした。
https://ameblo.jp/wemustbeholy/

kさんありがとうね

糖尿病食の問題点

糖尿病の教育入院での食事といったら、まだまだどこでもカロリー制限食でそのうち6割は主食の白米か白パンでしょう。水溶性食物繊維なんか全然足りていません。これでは食欲は抑えられませんから、退院すれば元の食生活に戻ってしまう人が多いのも当然といえば当然です。

糖質制限がいくら本質とはずれているといっても、対症療法的な効果(それもかなり劇的な)を最初に経験していますし、従来の食事指導が(今でもか)間違っているのも確かですから、糖質制限をやめようとしない糖尿病患者さんの気持ちは理解できます。

 

糖尿病学会にも水溶性食物繊維の重要性に気付いている人はいるはずですから、早く従来の食事指導を改めて、薬剤中心の現在の糖尿病治療を変えてほしいものですが、これまた難しそうです。

 

つまりはどちらも正しかったわけでもないのですから、みんな本当のところはわかっていなかったんだから、患者さんたちには本当に気の毒でしたが、いろいろわかってきたことを取り入れれば、まだ間に合う人たちばかりですので、どうか心を開いて、新しいことを学んでほしいと切に願います。

 

糖質制限推進されている一般の方々にもお願いします。いろいろなことがわかってきました。まずは調べてみてください。数年前とはもう状況は違ってきています。