鈴木内科クリニック・鈴美館

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ファスティング

一週間ファスティングの結果

先週、佐賀県鍼灸マッサージ師会の生涯研修会の講演のため前日から温泉旅館に泊まり宴会、日曜日も朝からおいしい朝食、帰りには柳川でうなぎせいろ蒸しを堪能。栄養たっぷりでお腹いっぱいになり、明日からしばらく何も食べなくてもいいやという気分になったところで一週間のファステングの実験を突然思いつき試してみました。

 

結果(起床時、同じ条件で測定、7/24から7/30)

体重 57.5㎏から53.9kg(-3.6㎏)
体脂肪率 21.8%から19.5%(-2.3%)
骨格筋率 35.1%から36.3% (+1.2%)
体年齢 40歳から35歳
内臓脂肪レベル 7から5

起床時血糖 109 96 96 79  99 88 75
ケトン   0.2 0.6 1.0 3.3 1.5 2.1 2.7

 

ファステング中は昼と夜に、自家製のチキンスープを飲んでます。あと、月、火、木、金、土は5㎞のランニングをしており、そのあとスイカ一切れやパッションフルーツなど食べたりはしています。完全な水だけのファステングではありません。後、コーヒーなどは一日、3,4杯飲みました。

結果を見ると体脂肪は体脂肪率から計算して7日間で約1.3㎏の減少でほぼ一日あたり200gの減少となり、予想したとうりの結果となりました。

21.8% 21.1 21.0 20.7 20.5 19.8 19.5

思った以上に確実に数値が減っていきます。

骨格筋率はグリコーゲンの量とも関連するのでばらつきが出ます。単純に数値が上がっているから骨格筋が増えているとは言えませんが、全体の体重減少に対してすくなくとも減ってはいないため、割合が増えたものと思います。これも予想どうりの結果でした。

35.1% 35.4 35.2 35.9 35.6 36.5 36.3

それにしても筋肉すくない、、、。

体重の変化は

57.5㎏ 55.9 55.4 55.8 54.7 54.3 53.9

火曜日と金曜日に排便あり、その時に大きく下がってます。

佐賀に行く前が56.5㎏前後でしたから、そこから脂肪が1.3㎏なくなったとして55.2㎏前後に体重のセットポイントが移れたはずと予想しています。

佐賀で炭水化物しっかり食べたのでケトンの上昇にはやや時間がかかっています。

空腹感は月曜日の夜が一番強く、火曜日にもありますがもうさほどではなく、水曜日の朝にはほとんどありません。以前にも3日間のファステングをした時もやはりそうでした。その後は強い空腹感は起こりませんでいた。

 

木曜の朝のランニングがきつかった。血糖79、ケトンは3.3と高いですがこのあたりでグリコーゲンが一旦空になったような感じ。坂道は上る気がおこらずコース変更しています。ところが金曜日には木曜日より走れるようになり、土曜日には坂道も駆け上がれました。といっても普段よりはやはり力は出ないようです。脂肪からグリコーゲンの補充がされ始めたのではないかと想像しました。

 

日曜日の今日になり、朝のケトン値2.7 血糖75で午前中にかけどうも脱力感がだんだん強くなってきたので10時半ごろ再度測定してみたら ケトン5.8 血糖70とケトンが短時間に跳ね上がっていました。これは初めての経験で、チキンスープ飲んでも脱力感は続いたのでここで終了。お昼を軽くいただきました。食後脱力感は消失しました。

 

以前2月に3日間のファステング、3月に3週間の週2回一日食べない間欠的ファステングをしています。その折、体重のセットポイントが59㎏前後から56㎏へ3㎏落ちています。そのあとそこを維持しており、リバウンドはありませんでした。

連続して7日間の経験でまたいろいろなことがわかりました。

カロリー制限理論の実際

カロリー制限で痩せようとすることは例えば2000カロリーから1400カロリーに制限すると一日当たり600カロリー、一週間で4200カロリーのマイナス分脂肪が燃え、体重が減らせるという考えです。

 

これはカロリーの摂取量が減っても基礎代謝が変化しないというのが前提であり実際には体は基礎代謝を落として適応しようとしますから、体重が減るのは最初だけで基礎代謝が1400カロリーになれば体重は減らなくなります。そして代謝が落ちた分、体は冷え、疲れやすくなり、さらに体重のセットポイントが高いままであるので飢餓感が持続します。そして我慢できずに再び2000カロリーに戻してしまえば、いったん落ちた基礎代謝はすぐには改善しないので、体重はすぐに増えてしまいます。

このリバウンドを繰り返すうち、体はますます痩せにくい状態になってしまいます。運動によって基礎代謝を落とさないという方法も実際のところはうまくはいきません。運動しているとき以外の時間で活動量が減って埋め合わせてしまいますし、空腹感も強くなり、体はやはり食事量を増やそうと仕向けてきますので結局リバウンドしてしまうことになりがちです。

 

 

この図はあくまでもモデルでありますので一週間で適応するとかの意味ではありませんが、間欠的ファスティングの簡単なイメージだと考えてください。この場合、基礎代謝が2000カロリーのままで下がらないので、週2回のファスティングの日に脂肪を燃やすことができ、何週間でも続けることが可能です。一週間で減らすカロリーはほぼ同じでも体におこることは全く違います。その違いを生むのがホルモンの働き、すなわち空腹時のインスリンの血中レベルを下げることにあります。

 

連続しない、間欠的ファスティング

間欠的ファステングは週に1日または2日だけ、いつもより食事の回数を減らす日をつくります。

いつも3食の人は朝ご飯を抜くだけでも16時間くらいのファステングになります。

無理なら、普段より時間を遅らせるだけでも構いません。

無理をせず徐々に代謝のトレーニングのつもりで行えばいいと思います。
大事なポイントは、いつもどうりしっかり食べる日があるからこそ、カロリー制限ではおきてしまう基礎代謝を落とす体の適応をおこさずに、脂肪をつかう時間をとることができるようになるということにあります。脂肪が使えていれば、強い飢餓感は起こらないはずです。

また、一週間での食事回数は減るわけですから、食事の質にこだわることが可能ですし、そうしなければいけません。
重ねて強調しますが連続しないことが大事なポイントです。

 

美と若さの新常識~カラダのヒミツ~▽断食はダイエットにあらず体質改善のスイッチ

美と若さの新常識~カラダのヒミツ~▽断食はダイエットにあらず体質改善のスイッチ

ダイエットの手段と思われがちな「断食」。しかし「断食は、人間に隠されていた体質改善のスイッチではないか」と研究最前線で注目を集めている。人間では脳卒中や糖尿病が減少、動物実験では体質改善のスイッチが入ることなどが報告されている。安全で確実な方法が明らかになれば、薬も使わず健康を保つ手段になるとの期待もある。サーチュイン遺伝子や断食メモリーなど、最新科学の知見から、カラダに起きる変化を徹底検証する!

BSプレミアム明日(6月7日)再放送があります。
詳しい内容はわかりませんが、榎木孝明さんのインタビューもあり面白そうです。

 

http://www4.nhk.or.jp/beautyscience/x/2017-06-07/10/22708/1714006/

 

 

1つのステージにとどまる必要はない

糖質制限ケトジェニック間欠的ファステング糖質選択そして本物の食材(加工食品でない)をとることの重要性

 

かつて重度の糖質中毒であり、外来でも多くの糖質中毒の患者さんを見てきた僕にとって、上に書いてきた流れにそって考えが変わってきたことに対して、自分の中で矛盾は全く感じていない。

最初から糖質中毒でない人、きちんとした食事をしてきた人から見れば、やっと気づいたのといわれるのも仕方がないが、自分には必要な流れであったし、多くの患者さんにとってもそうだと思う。

病態によってはいろいろな制限を継続する必要のある患者さんもいるが、本当に自由な健康状態を取り戻す(最初からそうである人から見れば当然のことですが)ためには一つのステージにとどまる必要はないと思います。

どのステージが正しいとかもないと思います。みんな正しいはずです。

 

糖質中毒の程度にもよりますが、やはり最初は糖質制限から入って、段階的に進むのがおすすめです。程度の差はあれ、やはり多くの人は糖質中毒ですから、この状態では食材の栄養素の価値を感じることはできなくなってしまっているようです。

あらゆることは、どの段階の人に対して言っているのかで決まってきます。ある人にとってはまだ必要なことも、ある人にとってはそれがかえって次に進めなくなっている原因になっていることも当然あるということです。だからといってそれが間違っているとかの話にしてはいけない。

しっかり食べて間欠的ファスティング

カロリー制限で痩せようとすることは、そうはさせまいとする自分の身体と終わりのない戦いをすることになり、心身ともに消耗します。摂食障害の誘因ともなります。

間欠的ファステングの方法論は食べないことに目が行きがちですが、実は食べるときにしっかり食べるというのが大前提ですので、そこは従来のカロリー制限を伴いやすいファステングとは区別してください。

考え方の枠組み

The Obesity Code が素晴らしいところは、考え方の枠組みを提供してくれるところにあります。確かに、インスリン抵抗性の重要性やタンパク質でもインスリン分泌があること、そして間欠的ファステングの方法などは目を引きますが、それ自体はこの本で初めて発見され、紹介されたというわけではありません。以前から分かっていたことです。

肥満を理解する枠組みを新しく作り上げるためには、まず従来のカロリー制限理論が出来上がった背景とその不完全さを徹底的に理解する必要があり、そこに多くのページがさかれています。そして肥満症はホルモンの異常であるという新しい枠組みを提供し、その治療法へと続いていきます。

 

従来肥満の原因と考えられてきたものを取り上げてみると・・・・

カロリー、砂糖、精製された炭水化物、小麦、すべての炭水化物、食事からとる脂肪、赤身の肉、すべての肉、乳製品、間食、食べ物中毒、睡眠不足、ストレス、食物繊維不足、遺伝、貧困、富、腸内細菌叢、幼少期の肥満 などがあげられます

 

様々な理論がお互いに主張しあい、あたかも本当の肥満の原因が一つしかないかのように排他的になっている。

例えば低カロリーと低炭水化物食を比較する試みでは、もし一つが正しければ、もう一つは間違いであると仮定している。大抵の肥満研究はこのような方法で行われている。

 

これらの理論はすべて、いくつかの正しい要素を含んでいるので、著者はこのような迫り方は間違っているとしています。

 

カロリー理論をとりあげてみても、すべて間違っているわけではありません。

ただ半分だけ作られた橋のようなもので、それだけでは役立たないということです。

著者の例でいえば(たとえ話がとてもたくさん出てくる本です)

心臓発作の原因を考えると
家族歴、高コレステロール血症、年齢、喫煙、性別、ストレス、糖尿病、身体活動の不足、高血圧などがあり、どれもリスク要因となります。
例えば喫煙がリスクを高めると主張して、そのことで糖尿病がリスクではないといったらおかしなことになります。さらに非喫煙者でも発作を起こすから喫煙がリスクでないとすることもおかしいわけです。

この例ではよくわかると思いますが、肥満に対する議論はそんなおかしな話がつねにおこなわれています。

最近でも腸内細菌叢に焦点を当てることがとても大事であり、そのために糖質を含んでいても有用な炭水化物はとるべきであるという主張で糖質制限を批判する意見がありましたが、正しいと思います。

しかし腸内細菌叢の問題だけで、すべてを解決することはできません。

逆に糖質制限だけもすべてを解決することはできません。

すべて解決できないからといって、そこにまたカロリー制限理論や運動療法をくみあわせてもだめです。

間欠的ファステングは有用な手段ですが、それですべてが解決するわけではありません。

 

そこも強調しておきたいと思います。

「The obesity code」と「The Complete Guide to Fasting」

The obesity code とThe Complete Guide to Fastingはきっちり読みました。

その内容の凄さに驚愕しました。何より著者の、100年にわたる不毛な議論に終止符を打ち、共通の枠組みを共有し、新たな発展につなげようとするその意識の高さに大変感銘を受けました。巻末の参照すべき論文の膨大な量が、著者の並々ならぬ真実を求めようとする姿勢の表れの一つであると思いました。

著者の思想の根底にあるものは、人間の身体というものは素晴らしくよくできた仕組みがあり、それをもっと信頼すべきであるということ。そして食に関して不自然な食べ物があまりに増え、それを医療も政府も容認し、見逃すだけでなく、問題をすり替えてきたこと。そして、圧倒的なのは近代の栄養学や予防医学自体が、難治性の肥満症を作り出してきたことや現在の糖尿病治療に対する完膚なきまでの批判です。

結論はすでに出していますが、やはり結論だけではその意味の重大さが理解できないというのも仕方がないことだと思います。

なのでやはり少しずつ順を追って紹介していくことにしますが、最低でも3か月から半年かかりますのでお付き合いください。

糖が悪さをしないために

糖が悪さをしないのは、筋肉や肝臓のグリコーゲンを空にした状態で補充するとき。

グリコーゲンが満タンな状態でさらに糖をとって押し込めるから害がある。

要するに空腹時の活動を十分することが大事。

グリコーゲン

グリコーゲンは筋肉と肝臓に貯蔵されています。

肝臓のグリコーゲンは血糖値が下がると分解して使われるため、血糖を維持する目的で蓄えられています。筋肉のグリコーゲンは血糖を上げるためには使うことはできません。
グリコーゲンの量は筋肉量にもよりますが筋肉の方が多く、肝臓の3,4倍蓄えられます。
ファステング状態では肝臓のグリコーゲンは空っぽですが、すでに安定した脂肪からの糖新生が行われ血糖を維持しています。筋肉のグリコーゲンはしっかり蓄えられたままです。
通常はマラソンなどの長時間の運動により肝臓のグリコーゲンが枯渇すると、血糖を上げられなくなり、いわゆるハンガーノックをおこします。このとき筋肉のグリコーゲンが残っていても使うことはできません。それを防ぐため、糖質を過度に運動中に補給をすると今度はインスリンの働きで脂肪の燃焼の妨げとなります。補給の仕方がとても重要となります。
ファステング状態からの運動では初めから血糖の維持に肝臓のグリコーゲンにたよっていませんし、筋肉のグリコーゲンは使えます。エネルギー源ははじめから脂肪燃焼モードです。
大まかで正確ではありませんが、これがファステング状態が運動に適している理由と推測しています。

ただし、いきなりやってもできません。時間をかけてケト適応してから可能となります。