たがしゅう先生のグルカゴン熟考

たがしゅう先生の結論

 

「糖尿病はやはりインスリンの作用不足を発端として引き起こされる現象であり、その結果、適応反応としてのグルカゴン分泌が過剰に引き起こされて結果的に不利益な血糖値スパイクや持続高血糖が引き起こされてしまった状態だ」ということです。

 

従って、「グルカゴンを抑える治療アプローチは根本原因を放置したままとりあえずのアンバランスを是正する行為であり、根本的には再びインスリンが作用できるよう環境を整えること、もしくは筋肉がスムーズにブドウ糖を利用できるように筋肉活動を活発にさせることではないか」


なんと、結論が一致してしまった。彼のいうとうり、グルカゴンが悪いわけでもない。インスリンの作用不足が発端というのも、GLP-1の助けがないとインスリンは作用不足になるから悪くない表現だ。

グルカゴンを抑える治療アプローチはとりあえずのアンバランスを是正する行為であるというのもそのとうりだと思います。ただ注射で抑えるより、なぜ上がってしまうのかを是正する必要があります。

最後がまた素晴らしい。根本的には再びインスリンが作用できるよう環境を整えること、もしくは筋肉がスムーズにブドウ糖を利用できるように筋肉活動を活発にさせることではないか。もうまさにそのとうりとしか言いようがないです。

 

そのためには糖質を避けていては無理だと思うのですが、、、、、。何でここだけ僕と違っちゃうんだろう?

 

https://tagashuu.jp/blog-entry-1636.html

2019年9月1日 | カテゴリー : グルカゴン | 投稿者 : suzukinaikaC

麦飯

 

ウィキペディアに麦飯についてまとめてありましたので紹介します。

 

これを読めば、戦後日本人に糖尿病が増えた原因は麦飯を食べなくなったことであるといっても、的外れではないことがわかると思います。最後に糖尿病との関係として以前紹介した福島刑務所の論文まで紹介されていました。

 

これを読めば糖尿病の人にこそ、麦飯をすすめる理由がわかると思います。

 

水溶性食物繊維、短鎖脂肪酸、大腸L細胞、GLP-1、グルカゴンの抑制、そして糖尿病の主役はグルカゴンと理論的にも無理なくつながったのです。

 

 

糖尿病との関係

2005年(平成17年)8月に、秋田市で開催された第46回日本人間ドック学会学術大会に於いて、2型糖尿病患者の血糖値が、刑務所服役中に著明に改善した事例が発表された。福島刑務所医務課の日向正光(精神科医)は、受刑者の栄養摂取量が日本人の平均と同等以上であることや、運動量がそれほど多くはないのにも拘らず、インスリンで治療していた17人のうち5人が注射をやめることができ、経口血糖降下薬で治療していた34人についても、17人が服薬を中止できた事を踏まえて、刑務所の主食が、今どき珍しい『麦飯』であることに着目した。

米7麦3の飯を毎日食べることで、食物繊維、とりわけ水溶性の食物繊維の摂取量が多くなり、糖代謝の改善につながったのではないかと考えた。受刑者は平均的日本人男性の2倍の食物繊維を摂取し、水溶性食物繊維は5倍摂っているという。「規則正しい生活習慣と麦飯などの高食物繊維食で、十分な糖尿病の治療効果がもたらされる可能性がある」としている

グルカゴンの暴走が先

グルカゴンの奇異性分泌(反乱)現象自体はかなり前から知られていましたが、インスリン分泌能の低下に伴うものとして、インスリンの過剰状態やインスリン抵抗性が先だというのが今までの考えでした。

 

しかしそうではなかった。

 

グルカゴンの反乱が先で、それによってインスリン過剰分泌が生じ、そして本来のインスリン抵抗性の病理が生じていき糖尿病の病理状態を作っていった。

 

どちらが先であるのかは、どちらが主役であるかであってとっても大事なことなんです。

 

脇役と思われていたグルカゴンこそ主役であったというわけです。

再度グルカゴンの反乱の意味

わかりやすくするため正確な表現ではないのを承知の上でいいます。

 

グルカゴンの反乱というのは、食事をして血液中に糖が入ってくると血糖値が上がりますがそれに反応してグルカゴンが抑制されるどころか逆にもっと出てしまい、食事でとった血糖値以上に血糖を押し上げてしまうことを言います。

 

だからインスリンは通常以上に働かなければならなくなり、それをインスリンの利きが悪いという風に解釈してしまっていたわけです。実はグルカゴンが裏で足を引っ張っていたという風に理解してください。

 

グルカゴンが正常に抑制される限りにおいて、食事でどれだけの糖質をとろうとも、安全に取り入れる仕組みがあるということをまず知ってください。それどころか、使えば使うほどβ細胞は保護されます。問題の本質は、糖質量やインスリンではなくグルカゴンの反乱にあったんです。


正確に言えば、本来血糖値がグルカゴンの分泌を抑制するのではありません。β細胞からの早期のインスリン刺激やGLP-1の働きによるのですけどね。このあたりの抑制のメカニズムの破綻の研究が進んできたわけです。でもそこまで知らなくても、全体像だけでも理解できるといいんですが。

ヨーロッパ糖尿病学会(2016)「インスリンとグルカゴン命のパートナー」

糖尿病はグルカゴンの反乱だった  から引用

ヨーロッパ糖尿病学会(2016)は「インスリンとグルカゴン命のパートナー」と題したカンファレンスを開催し、世界をリードする研究者の意見を集約して以下のごとくまとめています。

2型糖尿病では末期に至るまでの全過程および1型糖尿病ではまだβ細胞機能(インスリンを分泌する力)が残存している過程においては、血中グルカゴンの不適切な過剰分泌が肝糖産生の増大を惹起して高血糖を生じており、グルカゴンの働きを抑えることができれば、血糖の正常化が期待できる。そのためにはインスリンの基礎分泌の残存が前提であり、その限りにおいては、グルカゴンの抑制は重要な治療標的になりうる。

これが現時点におけるグルカゴンに対する世界の見解なのです。

 

わかりますか?何度も書きますがこれは間違いなく糖尿病患者さんたちにとって福音なのです。(糖尿病が治る可能性が十分にあるといっています)ですから、過去の経緯のみにとらわれ、現在の医学の進歩に目を閉ざしてしまった糖質制限の指導者たちのことは無視して、まだ間に合う患者さんたちにこのことを伝えたいんです。僕の一意見などではないんです。

インスリン抵抗性を作っていたのはグルカゴン

二型糖尿病ではインスリンが正常もしくは過剰に分泌されているにもかかわらず、血糖値が下がらない状態になります。それをインスリン抵抗性といってインスリンが効きにくいためとしていました。

 

しかし、そうではありませんでした。通常であれば、血糖値があがれば抑制されるはずのグルカゴンが逆に血糖値の刺激でさらに分泌され、肝臓から糖を血中に放出していたことがあきらかにされたのです。食事でとった糖以外に、内因性の糖が追加されてしまっていたのです。

 

「グルカゴンの反乱」

 

そうなんです。二型糖尿病の原因は糖の過剰とそれによるインスリン抵抗性などではなく、グルカゴンの反乱だったんです。

 

そして同じ現象が厳密な糖質制限で起こりやすくなるのです。インスリン抵抗性がない状態での糖新生は危険はないと主張した人がいましたかが、そもそもインスリン抵抗性の概念自体が修正しなければならないものになりました。

 

糖質量の問題ではなく、グルカゴンを抑制する仕組みの問題であり、つまりGLP- 1の分泌低下が最大の焦点なのです。

 

しつこく何度も書きますよ。いいですか。

糖をとりすぎるから血糖が上がるのではありません。グルカゴンの抑制が効かないから血糖が上がるのです。

インスリンからグルカゴンへパラダイムシフト

インスリンは血糖を下げるホルモンです。グルカゴンは血糖を上げるホルモンです。

 

ということは血糖値が高くなるのはインスリンの作用が弱い時でも、グルカゴンの作用が強いときでもおこります。

 

通常であれば食事をすればインスリンが分泌され、グルカゴンは抑制され、血糖の上昇がコントロールされます。

 

今までのパラダイムはこの食事におけるインスリンの作用不足が糖尿病の原因であるとしたわけです。

その中で、糖質過剰やインスリンの利きやすさ(インスリン抵抗性)が悪くなることによるインスリン過剰が問題視されたわけです。糖質制限の基本理論もその中にこそ存在します。

 

しかし、新しいパラダイムではインスリンの作用不足が糖尿病の原因ではなかったことが立証されていました。「糖尿病はグルカゴンの反乱だった」

 

グルカゴンの抑制ができなくなることが糖尿病の本質だったんです。

ですからいかにグルカゴンを抑制するかに、治療の中心が変わったんです。

 

注射でのインスリンではグルカゴンを制御することはできません。

 

そこで注目されるのがGLP-1というわけで、別の言い方をすればGLP-1の分泌不足が糖尿病の本質かもしれない。という風につながります。

まさにこれこそパラダイムシフトかもしれません。糖尿病患者さんにとっては福音となるはずです。

 

糖質制限の考え方はその理論的根拠を失っていたんです。

糖尿病はグルカゴンの反乱だった

#糖尿病はグルカゴンの反乱だった

 

 

今までの話をもっと医学的にきちんと詳しく解説してありました。論理的には決定的です。ただ本の結論の食事指導はプラントベースホールフードにちかく、いろいろ制限もあって焦点がぼやけた食事指導になってしまっていました。

 

これでは患者さんが実行困難であったことはすでに経験しています。もっとしっかり確実に結果を出すには、水溶性食物繊維にこそ、最大限の焦点を当てる必要があります。全粒穀物と豆とかいう表現では不十分です。

 

確実に水溶性食物繊維のβグルカンを一日3g以上とり続ける。(一日3g以上ということについては、きちんと根拠となる論文があります)そのためには主食を麦飯にするしかありません。ここで初めて現実の患者さんが確実に取り組める方法論になります。

 

ここに焦点を当てて、しっかり量までを意識しないと結果はなかなか出にくいと思われます。

 

これらのことがはっきりわかったのも「それでも生きていく」というブログでのKさんからの情報でした。
https://ameblo.jp/wemustbeholy/

kさんありがとうね

グルカゴンの暴走をおこす糖質制限

本当にいまだ糖質制限をしている人は、まだ世の中には糖質があふれているのが問題なのだから、それを適度に減らせたという意味で糖質制限自体は間違っていないなどと、変なこじつけで自分を納得しようとしている人を多く見かけますが、そんなことをいう人はわかっていない証拠みたいなものです。

 

そっちじゃない。必要な糖質をとらなくなったことが最大の問題なんです。

 

かつて洗脳してしまった側の一人として、本当にこの理解が世の中に広まるまでしつこくいろいろな角度から言い続けます。それが医師としての僕の責任でもあります。

 

一般の人は間違っても仕方ありません。基礎的な知識もないし、それを確認していく方法もよくわかっていない。自分の体感で判断していくしかないのもある意味仕方ないです。そしてその体感に驚き、糖質制限を広げるブームを作ることに加わっていった。矛盾を指摘しても体感にこだわり、指摘された矛盾の意味が理解できない。仕方ないです。それが一般の人です。責めるつもりは毛頭ありません。

 

しかし、医師は違う。矛盾したことが出てきたとき、それを調べることも、最新の論文にあたることもできる。医療者と一般の人は立場が違うのです。矛盾を放置したり隠蔽したりしたまま、間違っていることを主張しつつければ、当然責任が生じます。医師が一般の人に間違ったことを言っているのがわかって、それを批判しないで言わないでいることも同じことです。

 

僕が最初に糖質制限、ケトジェニックの問題に気がついたのはグルカゴンの暴走を抑えられなくなるリスクでした。これはフェイスブックにも投稿しました。でも、一般の人にはその意味が理解できない。

 

このとき糖質制限を一緒に推奨してきた医師たちには気がついていっしょに修正してほしかった。僕は悲鳴を上げていたんです。

まずはきちんとした朝食を食べること

セカンドミール効果は二つあり、これをしっかり理解することがダイエットのためには絶対必要です。

 

一つ目はオートミールや麦飯などの水溶性食物繊維豊富な食事(豆などのレジスタントスターチ豊富なものでもよい)を朝食でとると、昼食での血糖上昇が抑えられるというものです。

 

朝食後数時間たって、大腸で短鎖脂肪酸がつくられ始め、それによって大腸のL細胞からGLP-1が分泌されます。

 

食事をとれば、膵臓は血糖の上昇に反応してインスリンを分泌しグルカゴンの分泌は抑制され、また主に筋肉を中心に血糖を取り込むことなどによって血糖の上昇をある程度のところで抑えるわけですが、GLP-1の分泌はそれらのことがより速やかに行われるように、あらかじめ準備するように指示する信号のような役割をしてくれますので、素早く血糖の上昇に対応できます。

 

よく勘違いされているところですが血糖があまり上がらないからといって、インスリンが大量に分泌されるわけではありません!グルカゴンの抑制と筋肉での取り込みの亢進と素早いインスリンの分泌(遅れるとより大量に必要になる)によって、インスリンの分泌は逆にすくなくてすみます。

 

これらのことは(血糖の変動が少ない、インスリンの分泌が少ない)実際に血糖を測らなくても食後の眠気やだるさが少なくなることで実感できる感じがします。

 

朝食をとることで体のホルモンバランスがリセットされるので、朝食は大事!などというようなことを聞いたことはあると思いますが、これらのことを知ると腑に落ちます。(以前は朝食は否定していました。大間違いでした。すいません。)ただし朝食をとらないよりはとった方がましとばかりに朝から菓子パンなどを食べてしまっていては、これらの効果は全く期待できないですし、逆に食べないほうがましです。やはりきちんとした朝食をとりましょう。

 

これらのことは大腸におけるインクレチン(消化管ホルモンの総称)効果ともいうべきものです。食事の時にすぐに始まる小腸までのレベルでのインクレチン効果(こちらも重要ですが)とは区別してください。

二つ目は昼食での食事量が自然に少なくなる効果です。適切な量の食事で満足できるようになります。これはGLP-1の食欲中枢に働く作用で説明されます。

 

そして昼食でも水溶性食物繊維をさらにしっかりとると、朝との相乗効果もあって、夕食時になってもいわゆる腹持ちの良い状態が続いている場合が多くなります。食べなくてもいいかな?という気分にまでなっていれば、ここでスキップするなり、タンパク質中心の食事を軽くとるなりすればよいと思います。夕食に糖質をどれくらいとるかは、その日の活動量で自然にきまってきます。

 

結果的に一日の摂取カロリーや糖質量は減ってきますので、自然なダイエット効果が期待できます。

 

朝食をとらないと太ります。朝食をとらないから逆に太るんですと言われることの意味がこれでしっかり説明できます。朝食に何を食べるべきかをしっかり理解していないので、朝食を食べると太るから朝食は抜いたほうが良いと思ってしまっていたのです。

 

カロリー制限や糖質制限ではなく、自然なカロリーや糖質のコントロールを目指すことがダイエットの成功の一番の近道です。

 

まずはきちんと食べること

 

昔から言われている当たり前の結論ですが、GLP-1のことを知れば、よりその重要性が理解しやすいと思います。