鈴木内科クリニック・鈴美館

鈴木内科クリニックは、漢方外来、生活習慣病外来、疼痛外来、感冒外来のクリニックです。

TEL:099-278-5797 FAX:099-278-5796

〒899-2702 鹿児島県鹿児島市福山町193-1

アスリート

痩せているから過食する必要がない

痩せるために、カロリーを消費しようと走り続けると故障のリスクがだんだん上がり、どこかで走れなくなってしまいがちです。
確かにエリート長距離ランナーはみんな痩せています。走ることはエネルギーを消費するから痩せるのだと思われがちだが実はそうではありません。彼らは走り続けた結果、脂肪を落としてより効率的に走れるようにまで適応した結果そうなっているのです。したがって走るために必要とするエネルギーも走らない人に比べてずっと少なくなっています。
有名なマラソンパラドックスの一つでもありますが、彼らの筋肉の間には脂肪滴が貯まっていて、それをエネルギー源にすることができます。同様な脂肪滴は肥満した糖尿病の患者にも見られ、この脂肪の蓄積がインスリン抵抗性の原因と考えられていましたから、長距離ランナーに同様の脂肪摘がみられたことはまさにパラドックスでした。もちろんランナーたちはインスリン抵抗性は高くはなく、むしろインスリン感受性が高いのですから全く逆です。
痩せることで長く走ることに適応できるようになったということと、痩せるために長く走るということは違います。このことは肥満と過食の関係と似ています。食べるから肥るのではありません。肥っているから過食になるのです。痩せている人は過食しないから肥らないのではありません。痩せているから、過食する必要がないのです。

 

マラソンパラドックス

マラソンパラドックス

運動は筋肉のインスリン感受性を高めることはよく知られています。持久力の必要なアスリートは一様にインスリン感受性がとても高くなっています。10年以上前、マラソン競技の後のランナーのインスリン感受性とグリコーゲンの回復を調べた研究がなされました。驚いたことにこれらのランナーはマラソン終了後の最初の数日間、レースの前よりもインスリン抵抗性がより高くなっていたことがわかりました。そしてこのことは彼らの筋肉中のグリコーゲンがまだほとんど空の状態で起こっていました。これは大変興味深いパラドックスでした。つまり最もインスリン感受性が高まり、急速にグリコーゲンの補充がなされると予想していた正にその時に、マラソン後の身体は一時的に代謝上バリケードされてしまったようになったようなのです。このことはマラソン後のパラドックスと呼ばれ、他の研究者たちによっても確認されました。しかしおそらくうまく説明ができないままだったため、今日まであまり注目されることはありませんでした。これは不運なことです。なぜなら、なぜこのようなことが起こるのかそしてどう対処するべきかを理解することは、高負荷のトレーニングや試合後のアスリートの回復を最適化するために大変重要であるからです。

 運動は活性酸素の産生を増加させます。活性酸素の主要なターゲットが細胞膜の高度不飽和脂肪酸です。運動によってもたらされた活性酸素は細胞膜の高度不飽和脂肪酸を減少させてしまいます。細胞膜の高度不飽和脂肪酸はインスリン抵抗性と強くリンクしており、これらの筋細胞膜不可欠脂肪酸の強度運動後の一時的減少でさえ、インスリン感受性を傷害し、回復の割合を限定してしまうのです。

栄養学的ケトーシス状態では活性酸素のミトコンドリアでの産生を減少させることがわかっており、そのことは様々な利点があります。とくにケト適応したアスリートが組織のダメージを最小限にし、より早く回復することができるようになる根拠の一つになると考えられます。

THE ART AND SCIENCE OF LOW CARBOHYDRATE PERFORMANCE より抜粋