鈴木内科クリニック・鈴美館

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11月

厳密な糖質制限の継続は・・・

糖質制限で低インスリン状態を長期に継続した状態で逆におこりうるホルモンバランスの崩れとは、インスリンに拮抗するホルモンの働きが相対的に強くなりすぎてしまうことです。

 

これは肝臓に働いてグリコーゲンの分解を促し血糖を上げさせる働きが強くなっていることでもわかります。

 

少ない糖質をとっただけで予想以上に血糖があがってしまうようになってしまうのは、グルカゴンの働きが強くなりすぎていることも影響すると考えられます。また朝の目覚め前の生理的なアドレナリンの上昇でも朝の血糖値が徐々に高くなってきます。

 

運動時のアドレナリンによる血糖上昇もしやすくなり、運動以外での興奮時にも普通以上に血糖は上がりやすくなります。

 

カフェインによるアドレナリン分泌刺激でも血糖上昇はおおきくなります。

この場合の血糖上昇は肝臓からのグリコーゲン分解による血糖放出によるもので、コーヒーの糖質によるものではありません。

 

つまり、こうなると血糖スパイクを防ぐためにしていたはずの糖質制限で、血糖スパイクをおこりやすくなる状態を日常的に作り出すことになってしまっているわけで、HbA1cの値もゆっくりと年々上がっていく傾向になりがちです。

 

糖質をとらなければ問題ないとして、より厳密な糖質制限を継続すれば、この状態はさらに強化されていきます。

 

血糖が食事と関係なくあまりに上がりやすい状態はホルモンバランスがニュートラルな状態にあるとは言えないと思います。

 

速やかに血糖が上がる状態は運動時や頭を使うときなど必ずしも不利ではなくむしろ有利な面もあり、体感的に問題がないのでこのケトジェニックモードを継続することを選択するということも、知識を求めて更新でき、未知のリスクをも覚悟のうえであるという人であればいいと思います。

 

未知のメリットもありうるからです。

 

ここは海外でも盛んに議論がなされています。要するにまだわかっていない。

 

予想外の血糖上昇に不安を感じるような人であれば、このような状態になることは避けるべきであると思います。

 

もともと少ないインスリンで血糖をコントロールできた日本人は、低インスリンによるバランスの崩れもよりきたしやすいのではないかと思います。

手段を目的にしないこと

かなり厳密な糖質制限(ケトジェニックモード)も間ファスも、現状の主にインスリンとグルカゴンとのホルモンバランスの偏りがある人に対してそこに働きかけることで、バランスを改善させていく効果がある。

しかし長期に継続していけば次第にその状態に体は適応し、今度はそれが新たなバランスの偏りを生じさせる原因となってしまう。

 

これには個人差や性別、体質、体形の違い(筋肉量など)も大きく影響する。

 

糖質制限も間ファスもホルモンバランスが偏った状態を直す手段として用いるべきであり、継続することを目的化してしまうと一般的にはデメリットの方がおおきくなってしまう。またホルモンバランスの偏りがない人がすれば、逆にホルモンバランスを崩す原因となる。

 

手段を目的にしないこと。ここをはっきりさせることで、むやみに危険視したり、むやみに過大評価することなく、健康を取り戻す手段としてそれが必要な人に実践してもらいたい。

 

糖質制限や間ファスといった手段にどうしてもとらわれてしまいがちだが、そもそもホルモンバランスを崩す原因となった食事の内容を変えること、つまり高度に加工された食品を避け、カロリーあたりのビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富な食材を選んで、食事の質を上げることを意識することが本質的には一番重要なことだと思う。

肥満の原因は一つではなく、様々な要素があるということ

The obesity codeからホルモンバランスを整えるための方法論として間ファスを知りました。

Dr Fungの優れていることは、肥満の原因は一つではなく、様々な要素があるということを強調していることです。

様々な要因がそれぞれある意味正しく、ある意味間違っており、一つの要素で説明すること自体がおかしかったのだという考え方にあると思っています。

 

カロリー制限ですら、正しい部分はあるのです。

でもそれでは一部しか解決できない。

 

ですから、糖質制限も正しいか間違っているかは議論する意味はない。

 

糖質制限だけでは解決できないことに対して、別の要素を考慮に入れる必要があったのは当然です。

 

肥満の原因をホルモンの異常としてとらえ、それを共通の枠組みとして、個々にホルモン異常をきたす原因を検証することによってより議論を深める必要がある。

それが、Dr Fungのもっとも主張したかったことであるというのが、私の解釈です。

 

最近、特に無視できないと思うようになったのは、今更ですがやはり気候や風土、人種の違いによる食事への影響です。

 

肥満の原因としてDr Fung はインスリン過剰によるインスリン抵抗性を重視していますが、それは欧米人がこのタイプが非常に多いためであり、これとてそれがすべてであるといっているわけではありません。

特に加工食品に含まれるよくない脂のことなども同様にインスリン抵抗性の原因として挙げています。

 

日本人の場合欧米型の肥満は少ないので、インスリン過剰もある程度当然関与しますが、それ以外の要素の方をより考慮する必要性があると強く感じますし、それが今後の検証課題です。