鈴木内科クリニック・鈴美館

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マラソンパラドックス

マラソンパラドックス

マラソンパラドックス

運動は筋肉のインスリン感受性を高めることはよく知られています。持久力の必要なアスリートは一様にインスリン感受性がとても高くなっています。10年以上前、マラソン競技の後のランナーのインスリン感受性とグリコーゲンの回復を調べた研究がなされました。驚いたことにこれらのランナーはマラソン終了後の最初の数日間、レースの前よりもインスリン抵抗性がより高くなっていたことがわかりました。そしてこのことは彼らの筋肉中のグリコーゲンがまだほとんど空の状態で起こっていました。これは大変興味深いパラドックスでした。つまり最もインスリン感受性が高まり、急速にグリコーゲンの補充がなされると予想していた正にその時に、マラソン後の身体は一時的に代謝上バリケードされてしまったようになったようなのです。このことはマラソン後のパラドックスと呼ばれ、他の研究者たちによっても確認されました。しかしおそらくうまく説明ができないままだったため、今日まであまり注目されることはありませんでした。これは不運なことです。なぜなら、なぜこのようなことが起こるのかそしてどう対処するべきかを理解することは、高負荷のトレーニングや試合後のアスリートの回復を最適化するために大変重要であるからです。

 運動は活性酸素の産生を増加させます。活性酸素の主要なターゲットが細胞膜の高度不飽和脂肪酸です。運動によってもたらされた活性酸素は細胞膜の高度不飽和脂肪酸を減少させてしまいます。細胞膜の高度不飽和脂肪酸はインスリン抵抗性と強くリンクしており、これらの筋細胞膜不可欠脂肪酸の強度運動後の一時的減少でさえ、インスリン感受性を傷害し、回復の割合を限定してしまうのです。

栄養学的ケトーシス状態では活性酸素のミトコンドリアでの産生を減少させることがわかっており、そのことは様々な利点があります。とくにケト適応したアスリートが組織のダメージを最小限にし、より早く回復することができるようになる根拠の一つになると考えられます。

THE ART AND SCIENCE OF LOW CARBOHYDRATE PERFORMANCE より抜粋

 

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