鈴木内科クリニック・鈴美館

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考え方の枠組み

考え方の枠組み

The Obesity Code が素晴らしいところは、考え方の枠組みを提供してくれるところにあります。確かに、インスリン抵抗性の重要性やタンパク質でもインスリン分泌があること、そして間欠的ファステングの方法などは目を引きますが、それ自体はこの本で初めて発見され、紹介されたというわけではありません。以前から分かっていたことです。

肥満を理解する枠組みを新しく作り上げるためには、まず従来のカロリー制限理論が出来上がった背景とその不完全さを徹底的に理解する必要があり、そこに多くのページがさかれています。そして肥満症はホルモンの異常であるという新しい枠組みを提供し、その治療法へと続いていきます。

 

従来肥満の原因と考えられてきたものを取り上げてみると・・・・

カロリー、砂糖、精製された炭水化物、小麦、すべての炭水化物、食事からとる脂肪、赤身の肉、すべての肉、乳製品、間食、食べ物中毒、睡眠不足、ストレス、食物繊維不足、遺伝、貧困、富、腸内細菌叢、幼少期の肥満 などがあげられます

 

様々な理論がお互いに主張しあい、あたかも本当の肥満の原因が一つしかないかのように排他的になっている。

例えば低カロリーと低炭水化物食を比較する試みでは、もし一つが正しければ、もう一つは間違いであると仮定している。大抵の肥満研究はこのような方法で行われている。

 

これらの理論はすべて、いくつかの正しい要素を含んでいるので、著者はこのような迫り方は間違っているとしています。

 

カロリー理論をとりあげてみても、すべて間違っているわけではありません。

ただ半分だけ作られた橋のようなもので、それだけでは役立たないということです。

著者の例でいえば(たとえ話がとてもたくさん出てくる本です)

心臓発作の原因を考えると
家族歴、高コレステロール血症、年齢、喫煙、性別、ストレス、糖尿病、身体活動の不足、高血圧などがあり、どれもリスク要因となります。
例えば喫煙がリスクを高めると主張して、そのことで糖尿病がリスクではないといったらおかしなことになります。さらに非喫煙者でも発作を起こすから喫煙がリスクでないとすることもおかしいわけです。

この例ではよくわかると思いますが、肥満に対する議論はそんなおかしな話がつねにおこなわれています。

最近でも腸内細菌叢に焦点を当てることがとても大事であり、そのために糖質を含んでいても有用な炭水化物はとるべきであるという主張で糖質制限を批判する意見がありましたが、正しいと思います。

しかし腸内細菌叢の問題だけで、すべてを解決することはできません。

逆に糖質制限だけもすべてを解決することはできません。

すべて解決できないからといって、そこにまたカロリー制限理論や運動療法をくみあわせてもだめです。

間欠的ファステングは有用な手段ですが、それですべてが解決するわけではありません。

 

そこも強調しておきたいと思います。

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