鈴木内科クリニック・鈴美館

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11月

血中ケトン濃度(βヒドロキシ酪酸)について No.1

血中ケトン濃度(βヒドロキシ酪酸)について ナンバー1

糖質を含む普通の食事をしているひとは 0.1以下(mmol/L)ですが、朝食抜きで昼前とか、やや食事の間隔があいたときなどは0.1から0.3程度になることもあります。やや長期(一週間以上)の絶食をおこなうと、5から7程度まで上昇します。

一日50g以下のかなり厳しい糖質制限をつづけていると0.5から3.0ほどになります。この状態で運動をおこなうとケトン体は運動中とその後しばらく上昇し、1.0から5.0程度となります。

 ここまでの範囲が生理的ケトーシスと呼ばれる範囲で、アシドーシスになることもなく、危険はありません(絶食がかなり長期におよべば別ですが)

基礎インスリンの欠乏によっておこる糖尿病性ケトアシドーシスの場合、10から20以上となりこれは危険な状態ですが、生理的ケトーシスとは全く異なる病態ですので区別してください。
脳は通常100%グルコースのみを利用しています(ケトン体ないですから)が、飢餓状態においては60から70%をケトン体を使います。

残りのグルコースも糖新生によって作られたものがつかわれます。

このようにしてエネルギー源をわずかな量しか貯蔵できないグリコーゲンから豊富な皮下脂肪に切り替え、飢餓を乗り越える仕組みがあるわけです。

4週間の絶食で高ケトン状態のときでも70前後の血糖値となるようです。

そこにインスリンを打って(なんてことを!)20前後の血糖値にしても、昏睡などの低血糖状態を認めなかったという実験も過去にあります。(追試は危険で今ではできませんね)

さて、普段からケトン体がでているレベルでの低糖質の食事をし、ケト適応(個人差がありますが数週間から数か月かかります)できているエンデュランス系運動選手にとって、この脂肪を利用しやすい生理的ケトーシス状態には多くのメリットがあることがわかってきました。

1 脂肪はグリコーゲンにくらべ圧倒的に貯蔵量が多い
2 脂肪は糖よりもより効率的なエネルギー源である
3 運動中にとる食事の量を減らすことができる
4 ケトン体利用で乳酸の産生が少ない
5 グリコーゲンの利用を節約できる
6 体重のコントロールがしやすい
7 βヒドロキシ酪酸には炎症を抑え、酸素化のストレスをおさえるシグナ ルとしての役割がある
8 回復が早い

通常の食事をしているアスリートがエネルギー源として利用する脂肪とグリコーゲンの割合が約6対4で、そのため補給の仕方がとても大切なのですが、(糖質の補給が遅れるとハンガーノックをおこし、とりすぎるとインスリンショックをおこし、脂肪の分解がとまりエネルギーとして利用できなくなる)なんと低糖質の食事でケト適応できているアスリートはその割合を9対1にまでしています。このグラフを見たときの衝撃は大きかった。

ウエスタンステイツ エンデュランスランというアメリカカリフォルニア州の山岳地帯の100マイル(161km)を走るトレイルレースのウルトラマラソンがあります。

そこで2012年にTimothy Olsnが初めて15時間以内で走りコースレコードを記録しました。彼は低糖質食に適応した状態でした。

世界中で低糖質食を取り入れたエリートアスリートが増え、研究者たちがフォローし、最適のケトン体濃度を出せるように食品の開発などもされています。

日本は遅れてしまっています。

以上の内容はオハイオ州立大学のJeff Volek教授の講演をyoutube動画上のもので、みつけて抜き出してみました。

興味のある方は探してみてください。興味深いことはまだたくさんありましたが、それはまた次回に紹介します。

ナンバー2では実際に自分で測ってみたのでそれを紹介します。