鈴木内科クリニック・鈴美館

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スポーツ栄養におけるパラダイムシフト

スポーツ栄養におけるパラダイムシフト

 

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対象はアイアンマンや50km以上のウルトラマラソンのエリートアスリート。

習慣的にLow Carbの食事(平均diet期間20か月)をとっている組とHigh Carb の2組10名ずつ、その他の条件(年齢、身長、最大酸素摂取量等)をマッチングさせ、トレッドミルで最大酸素摂取量を1日目に測定、2日目は三時間の64%の強度で測定し、比較する。

HighCarbの組は最大酸素摂取量の50%あたりに脂肪燃焼のピークが来ます。

これはつまり脂肪を効率的に燃やすためには5,60%の強さの運動が適しているという意味で、従来のスポーツ生理学の教科書のとうりです。

それに対してのグループはそのピークが70%あたりまで移動し、しかも脂肪の燃焼量は2倍にまで上がります。これは運動強度を高めても脂肪を効率的に燃やすことができる。ということを意味します。

 

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三時間のトレッドミルでの脂肪の貢献割合はHigh Carbの56%(これも教科書どうり)に対しLow Carbはなんと88%となりました。

 

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運動において脂肪を主たるエネルギー源にすることのメリットは従来からわかっており、いかに脂肪を燃やせる体にするかがトレーニングの目的の一つでもあったわけですが、食事習慣によるこの圧倒的な違いには驚かされます。カーボローデングや運動中の糖質の補給も、脂肪以外の44%はグリコーゲンが絶対必要であり、いかにそれを高め、節約し、効率よく補給するかが重要であるということが前提となっています。その前提がLow Carbに適応した(通常半年以上かかります)アスリートにはあてはまらない!ということが確かめられました。

 

以下はJeff Volek教授が述べていることです。
これらの結果はスポーツ栄養における本物のパラダイムシフトであることを示している。我々はこの40年間、カーボローデングに関して全く逆の理解をしていたのかもしれない。
すべてを再び調べなおさなければならない。
人がどれだけ脂肪を燃やせるかについて、我々ははるかに過小評価をしていた。ただ糖質を制限するだけでひきだせる、おおきな予備能力があったのだ。
今のところこれは草の根的な動きだ。アスリート自身が穀物を取ることをやめた。そして多くの成功体験をした。ウルトラエンデュランスの世界ではすでに離陸したと思う。しかし多くのあらゆるスポーツ競技、様々なスポーツチームがLow Carbを実験しつつある。

同時に筋グリコーゲンの生検もおこなわれ、運動後の筋グリコーゲンが120分の回復期にHigh Carb とLow Carb のグループとで同じように合成されることもわかりました。このことも従来の運動回復期の筋グリコーゲンの補充に、糖質が必須であるという考えを否定するものです。
筋グリコーゲンは1960年代に発見され、アスリートにとってだいじなエネルギー源であることはわかっています。それゆえ強度の運動の間、エネルギーの必要を支えるHigh Carb dietが何十年もの間強調されてきました。
しかしとVolek教授は言います。かりに炭水化物が食事で限られた場合であっても、グリコーゲンレベルを支えるエレガントなシステムを体は持っている。脂肪またはケト適応する青写真はわれわれの遺伝子コードの中に固く埋め込まれている。

しかしながら古典的な健康食(糖質を主要な栄養素とする)はこの代わりの代謝作動システムが起動するのを妨げる。

炭水化物を制限することでこのプログラムを再起動させると、多くのアスリートの健康レベルやパフォーマンスを改良することができる。

 

注意点として人が完全にケトジェニックな食事に適応するのに数週間からそれ以上の期間が必要であるということです。

だからこの研究実験ではCarbを制限して少なくとも六か月以上の者だけを適格者としています。

僕自身、アスリートとは到底言えませんが自分の体で実験し、以前の自分との比較ですが強度を上げた運動で心拍数を上げても、苦しくないという体験をしました。

 

最終的に、不毛なケトン体が危険だとかいう論争に終止符が打たれるのは、スポーツの世界ではLow Carbに適応しなければ勝てなくなるということが誰の目にもあきらかとなり、さらに医学の分野ではLow Carbががん治療の基本となった時だと思いますが、それはもうすぐ目の前まで来ていると僕は思います。

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