鈴木内科クリニック・鈴美館

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11月

スポーツ栄養におけるパラダイムシフト

 

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対象はアイアンマンや50km以上のウルトラマラソンのエリートアスリート。

習慣的にLow Carbの食事(平均diet期間20か月)をとっている組とHigh Carb の2組10名ずつ、その他の条件(年齢、身長、最大酸素摂取量等)をマッチングさせ、トレッドミルで最大酸素摂取量を1日目に測定、2日目は三時間の64%の強度で測定し、比較する。

HighCarbの組は最大酸素摂取量の50%あたりに脂肪燃焼のピークが来ます。

これはつまり脂肪を効率的に燃やすためには5,60%の強さの運動が適しているという意味で、従来のスポーツ生理学の教科書のとうりです。

それに対してのグループはそのピークが70%あたりまで移動し、しかも脂肪の燃焼量は2倍にまで上がります。これは運動強度を高めても脂肪を効率的に燃やすことができる。ということを意味します。

 

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三時間のトレッドミルでの脂肪の貢献割合はHigh Carbの56%(これも教科書どうり)に対しLow Carbはなんと88%となりました。

 

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運動において脂肪を主たるエネルギー源にすることのメリットは従来からわかっており、いかに脂肪を燃やせる体にするかがトレーニングの目的の一つでもあったわけですが、食事習慣によるこの圧倒的な違いには驚かされます。カーボローデングや運動中の糖質の補給も、脂肪以外の44%はグリコーゲンが絶対必要であり、いかにそれを高め、節約し、効率よく補給するかが重要であるということが前提となっています。その前提がLow Carbに適応した(通常半年以上かかります)アスリートにはあてはまらない!ということが確かめられました。

 

以下はJeff Volek教授が述べていることです。
これらの結果はスポーツ栄養における本物のパラダイムシフトであることを示している。我々はこの40年間、カーボローデングに関して全く逆の理解をしていたのかもしれない。
すべてを再び調べなおさなければならない。
人がどれだけ脂肪を燃やせるかについて、我々ははるかに過小評価をしていた。ただ糖質を制限するだけでひきだせる、おおきな予備能力があったのだ。
今のところこれは草の根的な動きだ。アスリート自身が穀物を取ることをやめた。そして多くの成功体験をした。ウルトラエンデュランスの世界ではすでに離陸したと思う。しかし多くのあらゆるスポーツ競技、様々なスポーツチームがLow Carbを実験しつつある。

同時に筋グリコーゲンの生検もおこなわれ、運動後の筋グリコーゲンが120分の回復期にHigh Carb とLow Carb のグループとで同じように合成されることもわかりました。このことも従来の運動回復期の筋グリコーゲンの補充に、糖質が必須であるという考えを否定するものです。
筋グリコーゲンは1960年代に発見され、アスリートにとってだいじなエネルギー源であることはわかっています。それゆえ強度の運動の間、エネルギーの必要を支えるHigh Carb dietが何十年もの間強調されてきました。
しかしとVolek教授は言います。かりに炭水化物が食事で限られた場合であっても、グリコーゲンレベルを支えるエレガントなシステムを体は持っている。脂肪またはケト適応する青写真はわれわれの遺伝子コードの中に固く埋め込まれている。

しかしながら古典的な健康食(糖質を主要な栄養素とする)はこの代わりの代謝作動システムが起動するのを妨げる。

炭水化物を制限することでこのプログラムを再起動させると、多くのアスリートの健康レベルやパフォーマンスを改良することができる。

 

注意点として人が完全にケトジェニックな食事に適応するのに数週間からそれ以上の期間が必要であるということです。

だからこの研究実験ではCarbを制限して少なくとも六か月以上の者だけを適格者としています。

僕自身、アスリートとは到底言えませんが自分の体で実験し、以前の自分との比較ですが強度を上げた運動で心拍数を上げても、苦しくないという体験をしました。

 

最終的に、不毛なケトン体が危険だとかいう論争に終止符が打たれるのは、スポーツの世界ではLow Carbに適応しなければ勝てなくなるということが誰の目にもあきらかとなり、さらに医学の分野ではLow Carbががん治療の基本となった時だと思いますが、それはもうすぐ目の前まで来ていると僕は思います。

ケトン体に対する概念

従来のケトジェニックダイエットはやはり短期的に限定すべきとされていました。

つまり単なる減量を目的とした食事です。

しかしながら2012年あたりからケトン体に対する概念が一変しています。

単なる糖質の非常時の代用エネルギーと思われていたものが、アンチエイジングや抗がん作用などのシグナルとしての役割や、活性酸素などの有害物質の産生しない効率の良いエネルギー源であることなどが、ケトン体に適応したスポーツ選手たちの研究からもわかってきました。ケトン体と脂肪を主とした運動では疲労も起きにくいということもわかっています。(これについてはまた別に紹介します)
ようするに、新しい事実がわかるにつれ、むしろ長期にわたって続けることを危険視すべきは糖質中心の食事であり、脂質中心の食事が本来のヒトのパフォーマンスを最大化し、病気にならない食事であると大きなパラダイムシフトが海外では既に起きているということです。
あたらしいパラダイムの中では従来の糖質を中心とした食事を当然のものとした上での疫学的調査の結果などは当然白紙から見直す必要があるとされます。すでに世界はそのように動いているのを知ってください。
いまだにケトン体が危険であるかのような議論がなされているかのように言っている医師もいますがそれは間違っていると僕は判断しています。

適切量のたんぱく質

食事において適切量のたんぱく質をとることの重要性。

以下はオハイオ州立大学のJeff Volek教授の発言です。参考にされてください。
たんぱく質に関しては個々人においてスイートスポットがある。体が実際に必要としている以上のたんぱく質はとるべきではない。低糖質ダイエットが高タンパクダイエットであると一般に誤解があるのでこの点は重要である。ケトジェニックダイエットにおいては、たんぱく質は適量にしないといけない。なぜなら過度のたんぱく質はケトンの産制を抑制する方向に働くから。
一方でたんぱく質の消費を少なくすべきでもない。そうすると窒素バランスがマイナスになってしまう。(筋肉が分解するという意味)
たんぱく質量は体重1㎏あたり0.8gから1.6gぐらいまでを推奨しています。あまり体を動かさない50㎏の人なら40gから80gとなります。MEC食の推奨量もちょうどこれくらいでしょうか。
1㎏あたり1.6gを超えるとケトンが少しずつ抑制され、2.4g以上はかなりの低糖質が必要になりますし、とりすぎです。ただアスリートや体の大きい人はもっと大きくなるかもしれません。
また、たんぱく質の質を最大化することも重要で、その点においても動物由来のたんぱく質を推奨しています。

卵巣がん、糖質制限と抗癌生薬

70代後半の女性です。

2014年9月に腹部の腫瘤に気が付き入院。

卵巣癌の診断、手術受けるも人工肛門増設となりました。

その後2015年6月まで3クール化学療法を受けています。

1000を超えていたCA125(腫瘍マーカー)は20台に低下し、経過を見ていたのですが10月より再び上昇し始め、12月には112となり、CT上も腹腔内リンパ節腫大が確認され卵巣がんの再発と診断、根治は不可能として緩和ケア外来にて経過を見ていくこととなっています。
知人の紹介で、当院に来られたのはそんな2015年12月でした。厳密な糖質制限と抗癌生薬(百花蛇舌草、半枝蓮、霊芝)を中心とした漢方薬で経過を見ることにしました。

それまで、ゲルソン療法に近い食事をしてこられ、全く真逆の食事への変更はびっくりはされていましたが、決めたらやると真剣に取り組まれ、1月に測った血中ケトンも1901とまずまずでした。

腫瘍マーカーはその後も上昇が続きましたがあまり動揺されることもなく、いずれ下がってくるのを期待して頑張っていましたが、ようやく成果が出てきました。最近になって糖質制限と併用すればさほどの高濃度でなくてもビタミンCの点滴が非常に効果があるということもわかり、この奥の手も検討中です。

 

まだ戦いは途中ですが、もう負ける気がしません。(投稿は患者さんの了解を得ています)

 

隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)とはなにか

先日テレビで放送された内容の要約です。

 

隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)とはなにか

 

一般の方が貧血の症状と考えているのは以下のようなものだと思います。

・疲れやすい、だるい、めまいがする

・息切れ、動悸

・脱毛、爪がわれる、肌の乾燥

 

そして、通常、貧血の指標となるのはヘモグロビン値です。その値が基準値内であれば一応貧血ではないと考えます。

貧血はその多くが鉄欠乏性貧血であり、生理による毎月の出血が最も多い原因で、体内の鉄の損失に直結します。

鉄は、赤血球のヘモグロビン以外に、体の細胞に貯蔵鉄としてたくわえられており、必要に応じて使われますが、ヘモグロビンの値が基準値内であっても、この体内の鉄が欠乏した状態を潜在性鉄欠乏(隠れ貧血)といいます。

 

そして貯蔵鉄の指標となるのが血清中のフェリチンという値です。

鉄は体の代謝において、とても重要な働きをしており、その欠乏が様々な症状を引き起こします。

隠れ貧血を疑う、特に一般的な症状は、冷え性、肩こり、偏頭痛であり、多くの女性にみられる症状です。

疲れやすいのも一般的な症状ですが、その状態になれてしまって、改善して初めて気が付くことも多いようです

他にのどの違和感、つまり感や足のだるさなどもあります。

 

そしてうつ状態や睡眠障害、パニック症候群をきたすこともあります。これは脳の働きに欠かせないドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の不足によると考えられます。

さらに、不妊の原因ともなり、妊娠できても流産の確率も高く、産後のうつ状態も起こりやすくなりますので、とくに妊娠を望む女性には知っていていただきたいと思います。

フェリチン値の目安は以下のようになります。

>10前後以下は高度欠乏状態、30以下が欠乏状態です。

 

生理のある女性では3人に2人がこの状態です。60以上ある方は2割程度です。

閉経後の女性は100以上が普通で、男性は200台から300となります。いかに女性にとって鉄を毎日の食事の中で意識してでとることが重要かがわかります。

 

日本の女性の鉄の摂取量は少なめで足りていません。食品に含まれる鉄には肉や魚など動物性食品に多い吸収性の高いヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があります。

海藻や大豆など植物性の鉄分では動物性蛋白質と同時にとらないと吸収率が悪いのです。やはり毎日の食事でしっかり肉や魚を食べることが大切です。

 

症例 40代女性のかた 7月→9月現在 2か月、鉄剤内服治療中

フェリチン 7.0→27.0

ヘモグロビン 12.5→13.7

偏頭痛、足のむくみ、だるさなどが改善

 

 

 

 

円形脱毛症にお灸

円形脱毛は気が付けば自然に治ることも多い。

昨年の2月に見つけた小さな円形脱毛が半年放置の末、大変な事になり今年の8月末から禿げた場所にお灸をはじめました。

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すると二週間程でツルツルだった頭皮に毛根が見えはじめ、今では短い毛に覆われてきて台座灸が置けなくなるまでに!

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結果が素晴らしかったので頭頂の百会周辺の薄くなっているところと、額の生え際にも増毛を期待して塩灸を始めました。

 

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しお灸・・・竹筒の片面に手ぬぐいを貼ったものにお塩ともぐさをいれ、もぐさを燃やした熱で患部を温める間接灸。

 

実験から気づいたこと

昨日の実験から、一夜たって気がついた。

21km1時間53分 平均心拍数166 僕にとって、レッドゾーンレベルの運動で到底有酸素運動とは言えない状態で、血糖値が104とかわらず、まったく下がらなかった。

これは凄いことなのではないか。

筋肉の張りもなく、終了直後も今朝もふにゃふにゃだ。

ケト適応状態での運動生理は今までの教科書にはない。鹿屋体育大学とかで、本格的なアスリートで研究出来ないものだろうか。

またまた実験です。

またまた実験です。

今度は昼休みに、雨の中裸足で一人ハーフマラソン。

結果は血糖値まったく変わらず、ケトン値もわずかの上昇。

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これはまあなんてことないのですが、なんと21kmを1時間53分で走れてしまいました。

10年以上まえ、桜島ハーフの2時間3分の自己記録を超えてしまった!

今年は12月桜島ハーフマラソンに出る予定ですが、裸足で2時間切りが見えてきました。

 

帰ったら素敵なランチがまっていました。

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医療は激変します。

パラダイムシフトはすでにおきている。

古いパラダイムの時代の常識や固定観念は白紙から検証されていく。

そのとき、古いパラダイムにしばられた思考は役に立たない。

穏やかな糖質制限のみを推奨するのがその典型です。

新しいパラダイムの本質はケトジェニックな生き方。医療は激変します。

例えば、癌の早期発見のための検診の必要性一つ見ても、古いパラダイムの中にしかない。

治療法がまったく変わってしまう。いやでもお金のかからない医療になるしかない。

産業構造が大きく変わる。すごい時代に居合わせたもんだと一人で想像を膨らませて感動している。

血中ケトン濃度(βヒドロキシ酪酸)について No.2

血中ケトン濃度(βヒドロキシ酪酸)について ナンバー2

本日の朝食は家内手作りのケトンマフィン一個とバターコーヒー。

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これだけで午前中の診療を終え、お昼より実験開始。昼食はなし。

スタート時▶       血糖値94 血中ケトン0.9

スイム1.5km37分▶     血糖値96     血中ケトン0.9

バイク40km1時間45分▶  血糖値67     血中ケトン1.4

ラン10km 1時間5分▶        血糖値70     血中ケトン2.0 で終了。

補給は水のみ。なるほどね。

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