鈴木内科クリニック・鈴美館

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嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)に五苓散

嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)に五苓散

嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)に五苓散

去年の記事です。多くの方にシェアしていただき、ありがとうございました。

今年も感染性胃腸炎の季節がやってきましたので、まだご存じない方の為に再度アップしておきます。

 

ナンバー1

 娘が小学校に入学するときですから、10年以上前のことです。病院から帰ると妻から、娘の友達が嘔吐下痢症にかかり、明日入学式なのに出れそうもないんだって、かわいそうに。ときいて、ちょうど五苓散のことを知ったばっかりの僕は、そりゃおしえてあげないといかんと思い、もう夜でしたが五苓散もっておしかけました。
昼間小児科にいって、薬ももらい、点滴もしたけどまだ吐いているから、もう明日はあきらめていますというご両親に、大丈夫とこのときは根拠なく自信のあるふりをし、五苓散をお湯でといてすこしずつ飲ませてあげました。(このときはまだ、注腸法はしりませんでしたので)飲ませてから、ご両親と雑談していると、またゲーと嘔吐している。内心ややひやひやしながら、すこし飲ませるスピードが速かったようですので今度はスプーンで舐めるように30分くらいかけてもう一度のませてください。といってその場を去りました。

翌日元気にその子は入学式に出席でき、大変感謝されました。

その後吐くことはなく、2時間ほど寝た後、お腹すいたーといっておきてきたそうです。たいへん印象深い経験で、その後僕が漢方にのめりこむきっかけともなりました。

その後も病棟、外来、老健施設などで嘔吐下痢とみれば五苓散をもちい、いずれにおいても著効しどれだけ助けられたかしれません。
僕が漢方を知る以前、娘が嘔吐下痢になり、家内もうつって3,4日苦しみそれはたいへんな思いをしたことがあります。あのとき、知っていればなーといまでも思います。
下痢や嘔吐は悪いものをだそうとする体の働きだから、無理に止めてはいけない。自然に収まるのを待てばいい。という考えは半分あっていますが、半分は間違いです。

感染性胃腸炎は単なる食中毒とはちがいます。

ウイルスに対する過剰な体の反応であり、自然にまかすことは体力のない人や小児においては危険です。

五苓散はたんなる下痢止めや吐き気止めではないのです。

 

 

ナンバー2

感染性胃腸炎流行しています。この時期、嘔気、嘔吐があって下痢を伴えば、まず感染性胃腸炎と判断していいと思います。

原因となるウイルスではノロ、ロタが強い症状を引き起こすとして知られていますが、ほかにも同様の嘔吐下痢症状をおこすウイルスはあるので、検査をしてウイルスを調べること自体にはあまり意味はありません。
病態的には東洋医学的には水毒状態としてとらえています。噴水状の嘔吐は水逆の嘔吐といいます。西洋医学的に病態を説明すれば、ウイルスの感染により胃腸の機能が停止し、水分の吸収ができなくなるため、腸にたまった腸液はそのまま下痢となり、胃液がたまると噴水状に吐いてしまうことになります。
当然脱水状態になってのどが渇きますが、水分をとれば、ふたたび吐くだけですのでさらに状態は悪化してしまいます。
西洋医学的には、吐き気止めや下痢止めは効果なくかえってよくないので、もっぱら対症療法的に点滴などで脱水を予防しながら自然に回復するのを待つしかないとなっています。 また「ウイルスに効く薬などの特効薬はありませんので、手洗いうがいなどの予防が一番大切です。」とテレビなどで権威のある先生が解説しているのを聞いたことがあると思いますが、これは間違っています。
自然経過では2.3日は苦しむことになります。予防といっても、家族の中の一人発症すれば、感染力はとても強いので、防ぎきれるものではありません。

この状態にたいして五苓散という特効薬があるんです。薬局でも普通に購入することができますし、医療機関にもあります。外来においては最初の一回は吐き気があるため微温湯(10㏄ほど)にとかして注腸し、点滴をしますが2時間後くらいにはもう効いてくる場合がおおいですし、その後翌日にはかなり改善しています。
個人の医療機関でも、救急外来においても非常に威力を発揮する治療方法であり、漢方医に限らず、おおくの医療機関に当たり前にひろがってほしいのですが、感染症の専門医はまったく無視で広めようとするつもりもないようです。どこか糖尿病の食事療法としての糖質制限のあつかいと似ている状況のような気もします。

詳しいことは、(感染性胃腸炎、五苓散)としてネットで検索してみればわかるはずです。小さいお子さんのいる家庭にかかわらず、絶対に必要な知識です。五苓散のあまりの即効性と効果に驚いて、本格的に漢方をみなおして、漢方の勉強を開始するきっかけになる先生もおおいのですが、僕もその一人でした。

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