鈴木内科クリニック・鈴美館

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コレステロールは悪くない!No.1

コレステロールは悪くない!No.1

前回(2014.3.8)の糖質制限セミナーはコレステロールは悪くない!をテーマにしました

そもそもコレステロールは体の細胞にとって大切なものであり、必要なものです。 肝臓で8割が合成され、LDLコレステロールが全身への運送屋、HDLコレステロールが回収屋です。 コレステロールが不足すると細胞膜の受容体の機能低下から神経伝達の不具合がおこりやすく、うつ状態になりやすくなります。 筋肉の収縮や肝臓の機能にも問題を生じ、免疫機能も低下することがわかっています。血管ももろくなり、脳出血もおこしやすくなります。細胞膜の修復の材料ですから、老化もすすみ、癌にもなりやすくなります。

ではなぜこんなに大切なコレステロールは悪玉にされてしまったのでしょうか 。 始まりは1970年代のアメリカです。肥満と心血管病の増加が著しくなっていました。このとき注目されたのが動脈硬化が進み詰まりかかった血管のなかにたまっていたコレステロールでした。じつはコレステロールは炎症をおこし、傷ついた血管を守っていたのであり、炎症をおこしていた真犯人(グルコーススパイク、トランス脂肪酸など)は別にいたのですが、それがわかったのは後の話です。

1977年の有名なマクガハンレポートで以下のようなことが推奨されます。 炭水化物の割合を増やし、脂質を減らし、とくに飽和脂肪酸(動物性脂肪)を減らし、コレステロールは1日300mg以下にする。(卵1個、約200mg)

他にも砂糖を減らすなど間違っていない方向の内容もありましたが、畜産業や砂糖業界の抵抗などでもめはしたものの、1980年代には、心筋梗塞を減らすためコレステロールを減らそうプロジェクトが確立しました。コレステロール低下薬が製品化されたのは1987年のアメリカです。コレステロール悪玉説にもとずくガイドラインが確立したのは1988年です。結果、コレステロール低下薬は大ヒット商品となりました。
肉、卵、乳製品などコレステロールの多い食品をさけ、コレステロール低下薬を飲んで、必死にコレステロールを下げる努力がなされます。そのなかで、低脂肪、低カロリーの和食もよいモデルとされました。植物油のリノール酸は体内でコレステロールを下げる働きがあるから体に良いとされ、動物性油にかえて血液さらさらにしようキャンペーンがなされ、バターも動物性脂肪だからだめ、植物性のマーガリンが安全とされます。穀物の油をとった搾りかすは、家畜の飼料になり、油は人にまわすことができたわけです。すべてはコレステロールが悪玉説が大前提でした。
結果、起こったことは炭水化物の摂取量の増大による肥満の激増、糖尿病の増加です。  コレステロール自体の研究もすすみ、はじめはコレステロールはすべて悪とされましたが、次にHDLコレステロールは善玉で(α-リノレン酸、EPA  DHAなどが関連)、LDLが悪玉といわれ、最新ではLDLも悪玉でなく必要であることがわかっています(天然の飽和脂肪酸が関連)。LDLのなかに一部悪いものもあります(糖質とトランス脂肪酸が関連)が、これは通常の検査では区別されません。動物性油からとってかわった植物性油そのもののもつ、性ホルモンかく乱などさまざま危険性も、時の経過とともに報告されるようになりました。バターにかわったマーガリン(トランス脂肪酸)の害についてはいまさら書くまでもないでしょう。血管の炎症、腸管の炎症、脳への影響、アトピーなどのアレルギー、不妊症などさまざまです。血管の炎症の原因が血糖のスパイクやトランス脂肪酸などであることもわかってきたのは実は最近のことなのです。すべてはコレステロール悪玉説からはじまり、それに便乗した製薬業界、食品業界が一体となってキャンペーンをおこなってきたわけです。  コレステロールは火事を消していた消防隊だったというたとえ話があります。消防隊の邪魔をし火をつけて回っていた犯人(糖質)をとりしまるどころか、さらに火をつけることを奨励し、野放し状態にし、消防隊を一生懸命取り締まってきた結果はもう十分すぎるほど出ています。  つづく
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