鈴木内科クリニック・鈴美館

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08月

糖質制限と分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)の相違点

糖質制限と分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)の相違点

ダイジェストのなかで、ケトーシスという状態をすべて病的とするか、生理的(本来の姿)とするかで、話がかみ合わないのだ。という点を指摘しました。同じようなことはこの糖質制限とオーソモレキュラー療法の理論を別々に理解した人同士が話をするときにおこりやすい。どちらも糖質を制限することを重視するという点が共通するために、同じ状態を見ているとお互い勘違いしてしまっており、話がかみ合わないのだ。

前回、僕のダイジェストのなかで述べたことは、簡単に言えば、糖質の過剰摂取が続いたために内臓脂肪が蓄積され、それによって高インスリン、インスリン抵抗性、糖質依存という状態になる病態と、その悪循環を断つために、糖質を一時的にでも断ち、コントロール可能な状態まで回復させる必要性でした。中心になるのは食後高血糖の治療であり、肥満症、糖尿病の治療です。これは圧倒的に男性に多いタイプです。

それに対して、オーソモレキュラー療法の先生方は機能性低血糖症の治療をされています。 内臓脂肪の蓄積は原因ではなく、遺伝的な要素がつよく、体質や糖質の取り方、ホルモン影響、個人差や程度も様々で複雑です。中心になるのは低血糖の治療で、圧倒的に女性に多いタイプです。

この機能性低血糖症の病態についてはオーソモレキュラー療法の方がかなり詳しいのですが、これで糖尿病や肥満症を説明しようとすると、どうしてもおかしい点が出てきます。 当然、逆も同じです。僕の理論は機能性低血糖がおこるメカニズムに対する説明ではありません。機能性低血糖症については改めて病態を解説したいと思っています。

東洋医学的に言えば、この内臓肥満タイプは実証であり、機能性低血糖タイプは虚証といえます。それゆえにオーソモレキュラー療法の先生方はサプリメント(いわば補剤)を用いて治療効果をあげられるのでしょう。

しかしながら東洋医学的には、例えば鉄欠乏の状態に対し、鉄を補えばよいという考え方は、やはり本質的でない対症療法と言わざるをえません。鉄欠乏の原因、月経過多(お血など)や鉄の吸収障害(脾虚)を漢方薬を使うことで治すことができるからです。

東洋医学を基準の考えとする私は、サプリメントに頼らない治療をめざしています。しかし、決してオーソモレキュラーを否定しているわけではありません。むしろグルテンフリーの問題などを含め、さらに知識を得て、伝えていきたいと思います。