鈴木内科クリニック・鈴美館

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セミナーダイジェスト

第3部
  1. ケト適応と生理学 No.1
  2. ケト適応と生理学 No.2
  3. ケト適応と生理学 No.3
  4. ケト適応と生理学 No.4
  5. 番外編 ~脂肪を燃やせ!~


第2部

  1. コレステロールは悪くない! No.1
  2. コレステロールは悪くない! No.2
  3. コレステロールは悪くない! No.3
  4. コレステロールは悪くない! No.4
  5. コレステロールは悪くない! No.5
  6. コレステロールは悪くない! No.6


第1部
  1. 糖質制限セミナーダイジェスト No.1
  2. 糖質制限セミナーダイジェスト No.2
  3. 糖質制限セミナーダイジェスト No.3






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セミナーダイジェスト

コレステロールは悪くない!No.1
前回(2014.3.8)の糖質制限セミナーはコレステロールは悪くない!をテーマにしました

そもそもコレステロールは体の細胞にとって大切なものであり、必要なものです。
肝臓で8割が合成され、LDLコレステロールが全身への運送屋、HDLコレステロールが回収屋です。
コレステロールが不足すると細胞膜の受容体の機能低下から神経伝達の不具合がおこりやすく、うつ状態になりやすくなります。
筋肉の収縮や肝臓の機能にも問題を生じ、免疫機能も低下することがわかっています。血管ももろくなり、脳出血もおこしやすくなります。細胞膜の修復の材料ですから、老化もすすみ、癌にもなりやすくなります。

ではなぜこんなに大切なコレステロールは悪玉にされてしまったのでしょうか 。
始まりは1970年代のアメリカです。肥満と心血管病の増加が著しくなっていました。このとき注目されたのが動脈硬化が進み詰まりかかった血管のなかにたまっていたコレステロールでした。じつはコレステロールは炎症をおこし、傷ついた血管を守っていたのであり、炎症をおこしていた真犯人(グルコーススパイク、トランス脂肪酸など)は別にいたのですが、それがわかったのは後の話です。

1977年の有名なマクガハンレポートで以下のようなことが推奨されます。
炭水化物の割合を増やし、脂質を減らし、とくに飽和脂肪酸(動物性脂肪)を減らし、コレステロールは1日300mg以下にする。(卵1個、約200mg)

他にも砂糖を減らすなど間違っていない方向の内容もありましたが、畜産業や砂糖業界の抵抗などでもめはしたものの、1980年代には、心筋梗塞を減らすためコレステロールを減らそうプロジェクトが確立しました。コレステロール低下薬が製品化されたのは1987年のアメリカです。コレステロール悪玉説にもとずくガイドラインが確立したのは1988年です。結果、コレステロール低下薬は大ヒット商品となりました。
肉、卵、乳製品などコレステロールの多い食品をさけ、コレステロール低下薬を飲んで、必死にコレステロールを下げる努力がなされます。そのなかで、低脂肪、低カロリーの和食もよいモデルとされました。植物油のリノール酸は体内でコレステロールを下げる働きがあるから体に良いとされ、動物性油にかえて血液さらさらにしようキャンペーンがなされ、バターも動物性脂肪だからだめ、植物性のマーガリンが安全とされます。穀物の油をとった搾りかすは、家畜の飼料になり、油は人にまわすことができたわけです。すべてはコレステロールが悪玉説が大前提でした。

結果、起こったことは炭水化物の摂取量の増大による肥満の激増、糖尿病の増加です。  コレステロール自体の研究もすすみ、はじめはコレステロールはすべて悪とされましたが、次にHDLコレステロールは善玉で(α-リノレン酸、EPA  DHAなどが関連)、LDLが悪玉といわれ、最新ではLDLも悪玉でなく必要であることがわかっています(天然の飽和脂肪酸が関連)。LDLのなかに一部悪いものもあります(糖質とトランス脂肪酸が関連)が、これは通常の検査では区別されません。動物性油からとってかわった植物性油そのもののもつ、性ホルモンかく乱などさまざま危険性も、時の経過とともに報告されるようになりました。

バターにかわったマーガリン(トランス脂肪酸)の害についてはいまさら書くまでもないでしょう。血管の炎症、腸管の炎症、脳への影響、アトピーなどのアレルギー、不妊症などさまざまです。血管の炎症の原因が血糖のスパイクやトランス脂肪酸などであることもわかってきたのは実は最近のことなのです。

すべてはコレステロール悪玉説からはじまり、それに便乗した製薬業界、食品業界が一体となってキャンペーンをおこなってきたわけです。  コレステロールは火事を消していた消防隊だったというたとえ話があります。消防隊の邪魔をし火をつけて回っていた犯人(糖質)をとりしまるどころか、さらに火をつけることを奨励し、野放し状態にし、消防隊を一生懸命取り締まってきた結果はもう十分すぎるほど出ています。  つづく

コレステロールは悪くない!No.2

つづき ナンバー2

コレステロール低下薬(スタチン)の作用
もちろん肝臓に働いてコレステロールの合成を阻害しますが、それだけではありません。
脂肪からつくられるケトン体というエネルギー源の合成をも阻害します。ケトン体は空腹時や睡眠時、絶食時の生理的なエネルギー源です。

これがつかえなければ筋肉をとかして、たんぱく質をエネルギー源にしてしまいます。つまりスタチンの副作用である筋肉痛、脱力、横紋筋融解との関連です。
中性脂肪をさげる薬との併用でよりおこりやすいこともすぐに理解出来ることです。

他にも最近になって明らかになったスタチン全般の副作用は以下のようなものです。
うつ状態、睡眠障害、記憶喪失、性機能障害、間質性肺炎、発癌、多発性神経炎 催奇性 肝機能障害 血小板減少

これって副作用でしょうか?まさにコレステロール合成阻害薬のスタチンの主作用そのものに見えてきます。

すべてはコレステロール悪玉説から始まりました。
真犯人がみつかり、コレステロールの冤罪があきらかになった今、いままでの食事指導とは真逆になるのは当然ですし、薬は毒薬に見えてきます。

とくに糖質制限をしている人にとって、スタチンはより危険だと思います。

コレステロールは悪くない!No.3

つづき ナンバー3

ここで質問がありました。コレステロールのとりすぎと脂肪肝、肝機能障害との関連についてです。

日常の臨牀の中でみる脂肪肝の原因の多くは中性脂肪です。
中性脂肪が高値となる原因は炭水化物であり、コレステロールではありません。

つまり断糖によってすみやかに脂肪肝は改善し、肝機能値は正常になります。このタイプの人はいわゆるメタボ体形か、おなかぽっこりの隠れ肥満の人です。

みのがされやすいのが中性脂肪も低値で、コレステロール値も低いのに脂肪肝と肝機能障害があるものです。
カロリー制限や低脂肪食をしているやせ気味の女性におおく、原因は不明とされていますが、飢餓状態におけるストレス反応です。

つまり皮下脂肪を内臓脂肪におきかえて栄養不足に対応しようとしているわけですから、コレステロールをおおく含む肉食でこれもすぐに改善します。このタイプの人は同時に果物を過剰摂取していることもおおく、いわゆる果糖による脂肪肝もみられます。

つまり、コレステロールが不足するために肝機能障害をおこすことはあっても、コレステロールの過剰摂取自体で肝機能障害を起こすことはないというのが、日常的に血液データと食事との関連をみてきた臨床医としての実感です。